中学の生徒会選挙で、お友達の推薦者に選ばれることってありますよね。すごく光栄な反面、「生徒会推薦文の書き方」って、中学生にとっては未知の世界かも。「何をどう書けばいいの?」「自己PRとの違いって何?」なんて、悩んでいませんか。
推薦するからには、絶対に当選してほしい!と思いますよね。でも、いざ原稿に向かうと、「彼(彼女)の良さをどう言葉にすれば…」と手が止まってしまう。
特に、会長や副会長、書記、会計といった役職ごとのアピールポイントや、全校生徒の心に響く具体的な例文を探している人も多いかもしれません。
せっかく書いた原稿も、当日の演説での話し方のコツを知らないと、緊張で棒読みになって伝わらないかも…。
もし原稿用紙で提出なら、その使い方の細かいルールも気になりますよね。
この記事では、推薦文の基本的な構成から、友だちの魅力を最大限に引き出す書き方まで、分かりやすくステップバイステップで解説していきますね。これを読めば、自信を持って推薦演説に臨めるはずです!
- 推薦文と自己PR文の決定的な違い
- 人を惹きつける推薦文の黄金構成
- 役職別(会長・副会長など)のアピール例文
- 演説で伝わる話し方と原稿用紙のルール
生徒会推薦文の書き方:中学生向け黄金構成

まずは基本から。推薦文ってそもそも何?というところから、当選を後押しできる「最強の構成」まで、推薦文作成の土台をしっかり固めていきましょう。
ここを押さえるだけで、原稿のクオリティが格段に上がりますよ。
推薦文と自己PR文の違いとは?
まず、検索していると「自己PR文」と「推薦文」が混ざってしまうことがあるかもですが、この二つは目的が根本的に違います。
ここを間違えると、ピントのずれた原稿になっちゃうので注意が必要ですね。例えば、推薦者が候補者の公約ばかりを説明しても、「それは本人が言えばいいのでは?」と聴衆は思ってしまうかも。
あなたの役割は、公約を「紹介」することではなく、その公約を「この人なら絶対に実行できる!」と「証明」することなんです。
【推薦文と自己PR文の違い】
- 自己PR文(立候補志願書):候補者本人が、「私はこんなことができます」「こんな学校にしたいです」と意志や公約をアピールするもの。未来への「約束」ですね。
- 推薦文(推薦演説):推薦者(あなた)が、「この人はこんなにスゴイんです」「だから信頼できます」と、候補者の人柄や能力を第三者の視点で「証明」するもの。過去の「事実」に基づいた「保証」です。
つまり、推薦者であるあなたは、「私は彼(彼女)のこんなスゴイところを知っている!」という「証人」であり「応援団長」のような立場なんですね。あなたの言葉(=客観的な事実)が、候補者のアピールに「信頼」というお墨付きを与えるわけです。
人を惹きつける推薦文の4部構成
いざ書くぞ!となっても、何から書き始めるか悩みますよね。A4の紙を前にフリーズしてしまう…。
聞き手(全校生徒)の心を掴んで、「この人に投票したいかも」と思わせるには、話の流れ、つまり「構成」がめちゃくちゃ大事です。人の集中力はそんなに長く続きませんから、論理的な順序で、聞き手の心理を誘導する必要があります。
私がおすすめするのは、この「黄金の4部構成」です!
1. 【掴み】候補者の紹介と「推薦の核心」
目的: 聴衆の注意を引き、演説の主題を明確に提示します。
内容: まず「私が推薦するのは、〇〇さんです!」とハッキリ紹介します。ダラダラと前置きは不要です。
その直後に、「彼は、この学校で最も信頼できる『実行者』です」や「彼女は、私たちの声を『形』にできる真のリーダーです」といった、候補者の魅力を一言で表す「キャッチコピー」を提示します。これで「ん?どういうこと?」と、聴衆の興味を引くことができます。
2. 【本論】推薦理由と「最強の武器=具体的手法」
目的: 抽象的な推薦に、揺るぎない「信頼性」と「具体性」を与えます。
内容: ここが演説全体の「心臓部」です。
なぜ推薦するのか、その中核的な理由を、「たった一つの、最も強力な具体的なエピソード」で証明します。「真面目だから」ではなく、「〇〇の時に、こんな行動をしてくれたから」という、あなただけが知っている(かもしれない)事実を語るんですね。(詳しくは次の「エピソード術」で解説します!)
3. 【展開】候補者の「公約」と「実現できる未来」
目的: 候補者が当選した場合、聴衆(生徒)にどんな利益(メリット)があるのか具体的に想像させます。
内容: 候補者が掲げる公約(やりたいこと)を一つ取り上げます。
そして、「本論」で証明したエピソード(例:諦めない実行力)があるから、この公約(例:行事の改善)は絶対に実現できる!と、候補者の「強み」と「公約」をガッチリ結びつけます。「彼(彼女)が当選したら、私たちの学校生活はこんなに良くなるんだ」というワクワクする未来を見せる感じですね。
4. 【結論】最後の一押しと「投票の呼びかけ」
目的: 聴衆の共感を「投票行動」へと転換させます。
内容: 「〇〇さんこそ、この学校の未来を託すにふさわしい人物です」と、改めて推薦の意志を強く表明します。
最後は、選挙演説の定石通り、「どうか皆さん、〇〇さんに、皆さんの一票をよろしくお願いします!」と、力強く、はっきりと、自信を持って締めくくりましょう!
この4部構成は、そのまま演説の台本になります。この流れを意識するだけで、説得力がグッと増すかなと思いますよ。この「型」に当てはめていけば、原稿作成がスムーズに進むはずです。
説得力を増す最強のエピソード術

さっき「本論が最重要」と言いましたが、その本論の質を決めるのが「具体的なエピソード」です。ここがフワッとしていると、原稿全体が弱くなってしまいます。
中学生がやりがちなのが、「〇〇さんは、とても真面目で、リーダーシップがあります」みたいに、抽象的な言葉で褒めちゃうこと。これ、聞き手の心には何も残りません。なぜなら、「真面目」の基準も「リーダーシップ」の定義も、人によってバラバラだからです。
説得力は、「性格」ではなく「行動」の記録から生まれます。
NG例(抽象的)
「〇〇さんは、とても好奇心旺盛で、チャレンジ精神がある人です。生徒会でもその力を発揮してくれると思います。」
(→「とても」ってどれくらい? 証拠は? 聞き手は誰もイメージできません)
OK例(具体的)
「私が〇〇さんの『チャレンジ精神』を実感したのは、去年の文化祭準備の時です(いつ)。クラスの企画がうまくいかず、皆が諦めかけた中(どこで/なぜ)、彼女だけが(誰が)『今からでも新しい企画を絶対に成功させよう』と立ち上がりました(どのように)。彼女が徹夜で調べ上げた新しい企画案(何を)のおかげで、私たちのクラスは最優秀賞を取ることができたのです(結果)。」
どうでしょう? OK例の方が、圧倒的に「この人ならやってくれそう!」って思いませんか?
このエピソードを見つけるために、まずは候補者本人にしっかりヒアリングしましょう。「あなたのアピールポイントって何?」「それを表す具体的なエピソードある?」と、5W1H(いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どのように)を意識して、深く掘り下げてみてください。
そして、エピソードは欲張らず、「最強のもの」を一つだけ選び抜くこと。あれもこれも詰め込むと、印象がぼやけてしまいますからね。
使ってはいけないNGワードと言い換え
「真面目」「リーダーシップがある」「頑張る」「一生懸命」「いろいろ」…。
こうした便利な言葉は、具体的じゃないので「NGワード」とされています。でも、使いたくなる気持ちも分かります。
もし使いたくなったら、「具体的に言うと、どういうこと?」と自分にツッコんで、「行動」や「数字」に置き換えるクセをつけましょう。
よく使われるNGワードを、どう「具体化」すればいいか、ヒントをまとめてみました。原稿を書き終えたら、これらの言葉が入っていないか、ぜひチェックしてみてください。
| 抽象的なNGワード | なぜNGか? | 説得力を高める「具体化」のヒント |
|---|---|---|
| リーダーシップがある | 誰もが使う言葉で、証拠がない。 | 「いつ」「誰を」導いた? 「どんな困難」を乗り越えた?
(例:体育祭でバラバラなチームを、彼が自ら練習計画を作り直し、一人ひとりに声をかけてまとめた) |
| 真面目だ | 「真面目」の定義が人によって違う。 | 「数字」を使えないか? 「No.1」の要素は?
(例:1年間、学級委員の仕事をただの一度も忘れず、毎朝クラスで1番早く登校し、準備をしていた) |
| みんなの意見を聞ける | 聞いた「だけ」に聞こえる。 | 聞いた「結果」、何が「行動」に変わった?
(例:目安箱に入れられた『トイレの清掃』という小さな声を拾い上げ、先生と交渉して改善を実現させた) |
| 頑張る / 一生懸命 | 何をどう頑張るのか不明。気持ちだけに見える。 | 具体的な「行動」や「頻度」に変換する。
(例:「挨拶運動を頑張る」→「毎朝校門に立ち、全校生徒に自分から挨拶する」) |
生徒会推薦文の書き方:中学生向け役職別例文

構成がわかったら、次は中身ですね。ここでは、会長、副会長、会計、書記といった役職ごとに、どんなポイントをアピールすれば響くのか、具体的な例文も交えながら見ていきましょう。
候補者が立候補する役職の「仕事内容」と、候補者の「強み」が、ちゃんと結びついているかが重要です。
生徒会長に求められる資質と例文
生徒会長は、学校の「顔」であり、全校生徒の代表です。
求められるのは、学校全体を導く強いビジョン(こうしたい!という熱意)、公約を実行する行動力、そして何より多様な意見を束ねる調整力ですね。時には先生方と交渉したり、異なる意見を持つ生徒たちの間に入ったりする必要もあります。
「学校の当たり前」(校則や行事)に疑問を持って改善しようとした経験や、困難な課題(例:いじめをなくす)に立ち向かうポジティブな姿勢をアピールするのが効果的かなと思います。
【生徒会長】推薦例文(展開部分)
「彼が目指すのは『誰もが平等で自由な学校』です。そのために『校則の見直し』を公約に掲げています。彼は、意見が対立した時も、多数派の意見で押し切るのではなく、少数派の生徒が『学校が嫌だ』と感じないよう、最後まで対話を諦めない人物です。この強い『共感性』と『課題解決能力』こそ、全校生徒を束ねる会長にふさわしい資質だと確信しています。」
副会長のサポート力を示す例文
副会長は、会長の「右腕」であり、生徒会実務の中心的な役割を担うことが多いです。
もちろんリーダーシップも必要ですが、それ以上に「会長を支える」という明確なサポート意識や、会長のビジョンを具体的な活動に落とし込む実務能力、そして上級生と下級生の「架け橋」になる調整力が重要視されるかなと思います。
「級長」や「児童会役員」などでリーダーを支えた経験や、学年の壁を越えて「気軽に話し合える」レクリエーションを企画した経験があれば、強力なアピール材料になりますね。
【副会長】推薦例文(展開部分)
「副会長の役割は、会長を支え、学校生活の『向上・改善』に尽くすことだと彼女は理解しています。彼女は『人を笑顔にするのが得意』なだけでなく、一度決めたことは最後までやり遂げる『粘り強い性格』です。この卓越したサポート力と粘り強さで、会長と生徒会を力強く支えてくれるでしょう。」
会計・書記の適性をアピールする例文

会計と書記は、生徒会活動を裏で支える「スペシャリスト」ですね。適性がハッキリしているので、そこをアピールしやすいです。求められる能力が明確なので、候補者の強みと直結させやすいですね。
会計(Treasurer)
会計は、生徒全員から集めた大切なお金(生徒会費)を扱う、最も「責任感」が問われる仕事です。
「1円の狂いも許さない」という正確性と、活動の透明性を担保する信頼性がカギになります。クラスの会計係や部活動の備品管理などで、お金やモノをきっちり管理した経験をエピソードにしましょう。几帳面さ、誠実さをアピールするのがポイントです。
【会計】推薦例文(本論〜展開)
「会計の仕事は、最も『責任感』が問われる仕事です。〇〇さんは、クラスの会計係として、集金と支出の記録を常に正確につけ、その使い道を全員に明確に報告してきました。彼(彼女)のその『誠実さ』と『数字に対する正確性』こそ、生徒会会計に不可欠な資質です。」
書記(Secretary)
書記の仕事は、単に議論を「記録」するだけではありません。生徒会新聞(広報誌)などで、その活動を全校生徒に分かりやすく「発信」することも大切な役割です。
求められるのは、議論を正確にまとめる「傾聴力」と「情報整理能力」、そして活動を魅力的に伝える「発信力」ですね。学級新聞やポスター作成の経験、PCスキル(タイピングや資料作成)なども活きるかもしれません。
【書記】推薦例文(本論〜展開)
「書記の仕事は、皆の意見を『記録』し、生徒会新聞などで『発信』することです。〇〇さんは、クラスの話し合いが白熱した時でも、誰の意見も漏らさず、冷静に黒板に要点をまとめることができます。彼(彼女)の『傾聴力』と『情報整理能力』があれば、生徒会の活動は全校生徒に正確に伝わり、より開かれたものになるでしょう。」
原稿を活かすスピーチと話し方のコツ
さて、完璧な原稿ができあがっても、演説本番で失敗したら台無しですよね。体育館で全校生徒の前に立つと、頭が真っ白に…なんてことも。
どれほど優れた原稿も、自信のない「棒読み」では聴衆に伝わりません。内容の説得力を最大化する、効果的な話し方のコツを紹介します。
1. 原稿は「丸暗記」ではなく「自分の言葉」で
一字一句完璧に暗記しようとすると、視線が下がり、表情が硬くなります。「間違えちゃいけない」という意識が強すぎて、ロボットみたいになってしまうかも。
大切なのは、原稿の「構成」(4部構成)と「キーワード(最強のエピソード)」だけを頭に入れて、あとは聴衆の顔を見ながら「語りかける」ことです。その方が絶対に感情がこもりますし、「自分の言葉」として相手に届きます。
2. 「間(ま)」を制する者がスピーチを制する
最も重要な技術は「間(ま)」の取り方です。焦って矢継ぎ早に話すのはNGです。聞き手は情報処理が追いつかず、内容を理解する前に思考停止してしまいます。
「間」は、聞き手にとって「話を理解する時間」であり、「思考の小休止」です。登壇してすぐに話し始めず、まず全校生徒を見渡し、静かになるのを待つ「間」。
「私が推薦するのは…(間)…〇〇さんです。」のように、重要な言葉の直前や、文末に意識的に「間」を入れると、聞き手は次の言葉にグッと注目してくれます。
3. 声の「強弱」でメリハリをつける
ずっと同じトーンだと、どんなに良い話でも眠くなりますよね。スピーチは「歌」と同じで、抑揚が命です。
エピソードを語る情景描写(「去年の文化祭、私たちのクラスは…」)は、少し優しく、ゆっくりと。そして、推薦理由の核心や、最後の「〇〇さんをよろしくお願いします!」は、一番強く、力強く! このメリハリが、聴衆の感情を揺さぶります。
【補足】スピーチの適切な長さは?
スピーチの時間は限られています。中学生の選挙演説では、聴衆の集中力を考慮し、1分半から2分(約400~600文字)程度で、最も伝えたいことを簡潔にまとめるのが現実的かつ効果的かなと思います。ダラダラと長い演説は、かえってマイナス印象になることもありますからね。
意外と知らない原稿用紙の使い方
最近は減ったかもですが、もし「原稿用紙で提出してください」と言われた場合、基本的なルールを知らないと困っちゃいますよね。内容が良くても、形式が間違っていると「大丈夫かな?」と思われてしまうかも。
知っておくと安心な、原稿用紙の主要ルールをまとめてみました。
【特に注意するルール】
- 行頭NG: 句読点(、。)や閉じかっこ(」)は、行頭(一番上のマス)に来てはいけません。
- 対処法: 前の行の最後の文字と同じマスに入れるか、欄外に書きます。(これは学校の先生の指示に従うのが一番ですね)
| 項目 | ルール |
|---|---|
| タイトル | 1行目の上から2~3マス空けて書き始める。 |
| 氏名 | 2行目に書く。姓と名の間は1マス空け、行の下(最後のマス)も1マス空ける。 |
| 段落 | 本文の書き始めや、段落を変えるときは、行の一番上を1マス空ける。 |
| 句読点 (、。) | マス目の右下に書く。行頭には書けない(上記参照)。 |
| かぎかっこ (「 ) | 行頭(一番上のマス)に来てもよい。 |
小さい「っ」「ゃ」など普通の文字と同様に1マス使い、マス目の右側(または中央)に寄せて書く。
完璧な生徒会推薦文の書き方の中学生編まとめ
お疲れ様でした!今回は、生徒会推薦文の書き方について、中学生のみなさん向けに構成やエピソードの作り方、話し方のコツまでをかなり詳しく解説してみました。
構成、具体的手法、話し方の技術…これらは、あくまで友だちを当選させるための「道具」です。
一番大切なのは、テクニックを駆使することではなく、あなたが「なぜ心から彼(彼女)を推薦したいのか」という「本物の熱意」だと、私は思います。その熱意がなければ、どんなに上手い文章も、聞き手の心には響きません。
あなたが候補者を信じるその強い気持ちが、きっと言葉に乗り移るはずです。
この記事で学んだ「具体的手法」と「論理的な構成」を武器に、あなたの熱意を「説得力」のある言葉に変えてください。
あなたのスピーチが、友人を当選に導き、学校の未来を変える一票につながることを心から願っています!


