修学旅行の実行委員に選ばれたり、スローガンを考える宿題が出たりしたとき、何から考えればいいのか迷ってしまいますよね。
特に長崎という場所は、大切な平和学習の側面と、出島やグラバー園のような歴史・異国情緒の側面という、2つの大きな特徴を持っています。
そのため、「平和をテーマにすると重くなりすぎるかな」「でも、ただ楽しいだけだと学校の許可が下りないかも」と、不安やジレンマを抱えてしまうことも多いはずです。
私は、長崎への修学旅行を素晴らしい旅にするためのスローガンは、長崎ならではの特別な魅力と、自分たちの学校生活での目標をパズルのように掛け合わせることで、誰でも簡単に作れると考えています。
この方程式を使えば、クラスの友達も先生も、みんなが納得する素敵な言葉が驚くほどスムーズに完成しますよ。
この記事では、白紙の状態からでも迷わずにオリジナルの言葉を作り出す方法をお伝えします。
なお、長崎に合うスローガンを考える前に、修学旅行全体で使える定番フレーズや、四字熟語・英語・サブタイトルの作り方を確認しておきたい場合は、修学旅行スローガンの例文集と作り方も参考にしてみてください。
先に基本の型を押さえておくと、長崎らしい平和・歴史・異国情緒のキーワードも組み合わせやすくなります。
- 長崎の固有の魅力と学校の目標を掛け合わせる方程式がわかります
- 小学校・中学校・高校生それぞれの学年にぴったりな例文を紹介します
- 平和や歴史などのテーマに合わせたおすすめのキーワードを整理しました
- 先生からのOKがもらいやすくなる決定時の大切なポイントを解説します
長崎の修学旅行を成功に導くスローガンの決め方
一生の思い出になる修学旅行だからこそ、その指針となるスローガンはとても重要です。
ここでは、みんなの心を一つにするための具体的な決め方や、学年ごとのアレンジ方法を詳しく解説していきます。
それぞれの学校の教育目標や、現地で一番学びたいテーマに合わせて、言葉をどう選んでいけばいいのか、具体的なヒントを詰め込みました。
長崎の魅力と学校の目標を組み合わせる作成方程式
長崎の修学旅行のスローガンを作るときは、長崎ならではの地域性と、自分たちが目指す学校生活の目標を掛け合わせるのが最も効果的です。
なぜなら、どちらか一方だけに偏ってしまうと、旅行会社のパンフレットのようになってしまったり、どこに行くのかわからないスローガンになってしまったりするからです。
両方の要素をバランスよく組み合わせることで、初めて教育的な意味を持ちつつ、みんながワクワクできるスローガンになります。
例えば、「長崎の美味しい食べ物を満喫しよう!」だけでは、学校行事としての学びの目的が伝わらず、先生から却下されてしまう可能性が高くなります。
一方で「時間を守って、みんなで協力して行動しよう」という目標だけだと、行き先が長崎である必要性が全くなくなり、しおりの表紙を見た時のワクワク感が半減してしまいますよね。
だからこそ、長崎という土地が持つ特別な歴史や文化と、自分たちがこの旅を通じてどう成長したいかという集団としての目標をイコールで結ぶ必要があります。
| 長崎ならではの地域性 | 自分たちの学校目標 | 完成するスローガンの方向性 |
|---|---|---|
| 平和への祈り、未来へのバトン | 仲間の絆、思いやり、協力 | 平和の鐘を響かせ、仲間の絆を未来へ繋ぐ旅 |
| 出島、異国情緒、歴史ロマン | 自主性、学ぶ、探究する | 長崎の歴史を辿り、自ら学びを拓く旅 |
例えば、「平和への祈り」という地域性に「みんなの笑顔」という目標を重ねるだけでも、オリジナリティのある優しい表現が生まれます。
長崎の持つ特別なメッセージと、自分たちがこの旅でどう成長したいかをセットで考えることが、誰にでもできる王道の方程式です。
この二つのパーツを組み合わせる意識を持つだけで、言葉選びの方向性が最初からカチッと定まります。
スローガン会議で意見がバラバラになってしまった時も、「長崎の要素は何にする?」「自分たちの目標は何にする?」と、二つの箱を埋めるように問いかけるだけで、驚くほど建設的な話し合いができるようになりますよ。

白紙から完成まで進めるスローガン作成の3ステップ

何もない白紙の状態からスローガンを組み立てるには、テーマの決定、言葉の書き出し、繋ぎ合わせの3ステップを順番に進めるのが一番の近道です。
いきなり完璧な文章を考えようとすると、アイデアが固まらずに会議が長引いてしまいます。
段階を追ってパズルを解くように進めることで、実行委員会の話し合いも驚くほどスムーズに進みますよ。
私も何度も経験がありますが、いきなり「何か良いスローガンない?」とクラス全体に呼びかけても、シーンと静まり返ってしまうか、一部の冗談半分の意見ばかりが出てきて結局まとまらない、ということになりがちです。
それを避けるためにも、まずはこの3ステップを順番に踏むことを強くおすすめします。
ステップごとの具体的な中身を詳しく見ていきましょう。
ステップ1:テーマの決定
まず、今回の旅で一番大切にしたい大きなテーマを1つ決めます。
平和学習をメインにするのか、異国情緒あふれる歴史や文化の探究に重きを置くのか、あるいはクラスや学年の「絆」を深めることを最優先にするのか。
この軸をあらかじめ決めておかないと、後から言葉を付け足した時に、全体として何を言いたいのかわからないブレブレのスローガンになってしまいます。
まずは実行委員会やクラスのホームルームで、「今回の修学旅行で自分たちが一番重視したいことは何か」を1つだけ選ぶことから始めましょう。
ステップ2:キーワードの書き出し
決めたテーマに合う「長崎のキーワード」と、自分たちが使いたい「行動や気持ちを表す言葉」を箇条書きでたくさん書き出します。
この段階では、まだ文章にする必要は全くありません。
ブレインストーミングの要領で、とにかくたくさんの単語を付箋や黒板に書き並べていきます。
長崎のキーワードなら「出島」「平和祈念像」「路面電車」「異国情緒」、目標のキーワードなら「一致団結」「ステップアップ」「笑顔」「一歩」など、思いつくままに発想を広げていきましょう。
たくさんの言葉が視覚的に並ぶことで、意外な組み合わせのアイデアが湧きやすくなります。

ステップ3:言葉の繋ぎ合わせと微調整
書き出した言葉をリズムが良くなるように接続詞や対比の表現を使ってパズルのように繋ぎ合わせ、微調整を行います。
ここで大切にしたいのは「声に出して読んだときのリズム感」です。
日本の言葉は、五・七・五の音数に合わせると非常に耳に残りやすく、覚えやすいスローガンになります。
また、「〜を学び、〜を創る」といった対比の構造や、「〜から〜へ」という変化を表す接続詞を使うことで、言葉の奥行きがぐっと深まります。
最後の微調整では、漢字とひらがなの比率を見ながら、しおりに印刷したときにパッと見て読みやすいかどうかを確認しましょう。
この3つのステップを順番に踏むだけで、誰でも簡単にブレない軸を持ったスローガンを完成させることができます。
プロのコピーライターになったような気持ちで、楽しみながら言葉のパズルを解き明かしてみてくださいね。
小学校の修学旅行に合う分かりやすいひらがな例文
小学生向けのスローガンを作る際は、難しい漢字や抽象的な表現を避け、全員がパッと見て直感的に意味が理解できる言葉を選ぶのがベストです。
小学校の修学旅行では、集団でのルール遵守や、お互いを思いやる協調性が何よりも大切にされるからです。
優しい言葉遣いにすることで、学年全員がスローガンを身近に感じ、同じ目標に向かって行動しやすくなります。
まだ社会の仕組みや歴史の難しい背景を理解しきれていない段階だからこそ、耳馴染みの良いひらがなを多めに使い、直感的に「楽しそう!」「みんなで頑張ろう!」と思える表現が効果的です。
また、小学校の先生や保護者の方がしおりを読んだときにも、「しっかりとした目的を持って旅行に行くんだな」と安心してもらえる、あたたかいトーンを意識することが大切になります。
実際の例文として、以下のようなものがおすすめです。
それぞれの例文が持つ目的や、使い方のポイントもあわせて解説します。
- 「長崎でまなぶ平和のバトン、みんなの笑顔で未来へつなごう」
平和学習に重点を置いたプログラムの学校に最適な例文です。「平和」や「未来」「バトン」という分かりやすい名詞を使い、自分たちが歴史を学んでこれからの生活に活かしていくという前向きな姿勢を表現しています。「つなごう」という言葉が、クラス全員の協調性を引き出します。 - 「歴史を感じる長崎の町、ルールを守って笑顔の思い出づくり」
自主研修や観光を楽しみつつ、集団行動のルールをしっかりと守ることを意識させたい場合におすすめです。長崎の異国情緒ある綺麗な街並みを感じながら、時間を守ったり、公衆道徳を意識したりする「きまり」の大切さを、嫌味なくスローガンに組み込むことができます。 - 「なかまと歩む長崎の旅、みんなで広げる平和の輪」
「なかま」との友情や絆を一番大切にしたい学校に向いている例文です。長崎の坂道を一歩ずつみんなで歩いていく情景と、お互いを思いやる心を掛け合わせています。文字のほとんどをひらがなにすることで、低学年でも一瞬で覚えられる親しみやすさが生まれます。
漢字を使う場合でも、小学校で習う範囲のやさしい漢字にとどめることが、親しみやすさを生むポイントです。
みんなの顔が自然と笑顔になるような、あたたかくて分かりやすい動詞を中心に構成してみましょう。
難しく考えすぎず、語りかけるような優しい口調を意識するだけで、小学生らしさが輝く素晴らしいスローガンになりますよ。
中学校の定番となる平和や絆をテーマにした例文
中学生向けのスローガンは、原爆の悲惨さを学ぶ平和学習への厳粛な姿勢と、クラスや学年としての「絆」を融合させた表現が定番であり、最も支持されます。
中学生になると、歴史の背景をより深く理解できるようになり、社会の課題と自分たちの日常生活(いじめの防止や友達を思いやる心など)を結びつけて考えられるようになるからです。
小学校の時よりも一歩踏み込んだ、道徳的・社会的な視野が求められる時期でもあるため、スローガンの言葉にもある程度の「重み」や「知性」が必要になってきます。
しかし、あまりにも堅苦しい言葉ばかりを並べてしまうと、生徒たちのモチベーションが下がってしまい、形式的なスローガンになりがちです。
だからこそ、歴史を見つめる真剣な姿勢と、自分たちがこれから築いていく仲間との固い絆を両立させることが、中学生のスローガン作りの鍵となります。
よく使われる定番の例文をいくつかご紹介します。
それぞれの背景にあるメッセージを意識して選んでみてください。
- 「長崎の鐘から未来へ、私たちが紡ぐ平和と絆のメロディ」
「長崎の鐘」という地域固有のシンボルを使い、平和への願いと自分たちの絆を「メロディ」という美しい言葉で表現したバランスの良いスローガンです。過去の戦争の悲劇をただ悲しむだけでなく、自分たちの手で未来を調和に満ちたものにしていこうという、中学生らしい瑞々しい決意が感じられます。 - 「歴史を見つめ、明日を創る、長崎の地で深める仲間の絆」
「見つめる」「創る」という対比の動詞が美しく、リズム感も非常に優れた例文です。長崎の歴史遺産に触れることで知的な学びを得ると同時に、集団行動の中で仲間との距離をさらに縮め、お互いを深く理解し合うという二重の目的がクリアに表現されています。 - 「受け取る平和のバトン、共に歩む長崎の空の下で」
長崎の原爆被爆の歴史からバトンをしっかりと引き継ぎ、自分たちの日常生活に落とし込んでいくことを誓う表現です。「同じ長崎の空の下」という空間を共有することで、修学旅行中の連帯感がぐっと高まり、思い出深い旅になることを予感させます。
ただし、過去の悲惨さだけを過度に強調しすぎると、修学旅行全体が暗いトーンになってしまうので注意が必要です。
「過去の学び」を「未来の希望や絆」へとポジティブに繋げていく表現に仕上げることが、心に響くスローガンにするコツです。
中学生の皆さんが、自分たちの言葉で社会や未来を語る第一歩として、こうした力強い言葉を選び取ってほしいと思います。
高校生向けに探究学習や未来への意志を込めた例文
高校生向けのスローガンでは、単なる観光や思い出作りから一歩踏み込み、主体的な「探究」や、平和な「未来」を自ら創造していく強い意志を感じさせる洗練された表現が似合います。
高校の修学旅行は、多角的な視点で歴史や文化を考察する探究学習が組み込まれることが多く、自律した個人の行動と社会への視野の広がりが期待されるからです。
高校生ともなれば、自分自身の進路や、これからの世界のあり方に対して、当事者意識を持つことが求められます。
そのため、単に「みんなで仲良く楽しむ」というレベルを超えて、地域が抱える課題や歴史的背景を自ら「探究」し、そこから得た気付きを自分たちの未来にどう結びつけるか、という知的な姿勢をスローガンに投影させることが非常に重要です。
言葉遣いも、少し抽象的で詩的な言葉や、洗練された漢語、英語などを効果的に散りばめることで、しおりやクラスTシャツのデザインとしても映える、大人の表情を持ったスローガンになります。
高校生の成熟度にマッチする例文には、以下のようなものがあります。
自律した学習者としての姿勢を表現する参考にしてください。
- 「長崎の歴史から拓く未来、探究と対話で深める私たちの絆」
「探究」と「対話」という、現代の教育現場で極めて重視されているキーワードをストレートに盛り込んだ例文です。ただ展示を見るだけではなく、自ら問いを立て、仲間と深く語り合うことで、より深い学びとより強固な関係性を築いていこうとする、主体的で意識の高い姿勢が表れています。 - 「異国情緒に学ぶ多様性、平和への意志を未来へと繋ぐ旅」
長崎が持つ「多様な文化が混ざり合う街」という特徴(和華蘭文化)に着目し、それを現代の「多様性(ダイバーシティ)」というグローバルな視点に昇華させたスローガンです。平和へのアプローチを、単なる戦争の反対ではなく、他者への理解と尊重という広い視野で捉え直しています。 - 「温故知新、長崎の軌跡を辿り、私たちが創る新たな時代」
四字熟語を頭に配置し、重厚感と知的なトーンを持たせたスローガンです。長崎の地が歩んできた激動の歴史(軌跡)を丁寧に辿り、そこから得た教訓をもとに、自分たちが次世代の主役として新しい時代を創り出していくという、非常に頼もしい意志が感じられます。
抽象的な名詞や、英語のサブタイトルを取り入れることで、しおりに印刷した際の見栄えもぐっとスタイリッシュになります。
高校生活最後の大イベントだからこそ、自分たちの知性と感性を最大限に発揮した、誇れるスローガンを作り上げてみてください。

長崎の修学旅行スローガンに使える厳選キーワード
スローガン全体の方向性がなんとなく見えてきたら、次は具体的な言葉を選んでパーツを組み上げていきましょう。
長崎の街が持つ独特の情緒や、学校の教育目標を美しく、そして心に響く形で表現するために役立つ厳選キーワードをご紹介します。
これらの言葉をパズルのように組み合わせるだけで、ただのありきたりな文章から、一気に深みのあるスローガンへと生まれ変わりますよ。
未来への祈りや平和のバトンを伝える言葉の選び方
平和学習をメインテーマにする場合は、過去の悲劇への哀悼にとどまらず、自分たちがこれからどう行動し、どう生きていくかという「未来志向のポジティブな言葉」を選ぶのが最大のコツです。
実は、多くの実行委員会がここで最初の壁にぶつかります。
「戦争」「原爆」「悲惨さ」といった重たい言葉ばかりを並べてしまうと、スローガンとしてしおりの表紙に印刷したときに、なんだか修学旅行全体のトーンが暗くなってしまうんですよね。
友達も「楽しみだけど、なんだか気が重いな……」と感じてしまうかもしれません。
だからこそ、過去の歴史を「学ぶ」「見つめる」というステップから、一歩進んで「自分たちが未来へどう繋ぐか」という前向きな姿勢を言語化することが重要になります。
例えば、長崎の平和学習の象徴である「平和の鐘」や、被爆地としての記憶を象徴する「バトン」「灯(ともしび)」という言葉は、非常に使いやすくておすすめです。
これらは、過去の教訓をただの知識として終わらせず、現代に生きる私たちが引き継いでいくという主体的な意志をきれいに表現してくれます。
具体的な組み合わせのアイデアを以下の表にまとめてみました。
| 平和の象徴(過去・現在) | 自分たちの行動(未来) | 言葉に込めるストーリーの例 |
|---|---|---|
| 平和の鐘、響き | 未来へ響かせる、心を通わせる | 長崎で聞いた鐘の音を、自分たちの日常の優しさに変えて響かせていく |
| 平和のバトン、歴史の灯 | 受け取る、未来へ繋ぐ、照らす | 先人から受け取った平和への願いを、次の世代へと絶やさずに繋いでいく |
このように、時間軸を「過去から未来へ」とスライドさせる言葉を意識的に選ぶことで、先生からも「ただ暗い気持ちになるのではなく、これからの社会を担う若者としての自覚が感じられる素晴らしいスローガンだ」と大絶賛してもらえる可能性がぐっと高まります。
「自分たちが平和のバトンを受け取って、これからの未来を明るく照らす」というストーリーを意識して選んでみましょう。
ありきたりな言葉に少し新しい風を吹き込むだけで、クラスメイト全員が誇りを持てる言葉が完成しますよ。

出島や異国情緒のロマンを伝える歴史のキーワード
長崎の歴史や独自の文化をスローガンの主役にしたいときは、他県にはない「和華蘭(わからん)文化」や、西洋との窓口だった出島のロマンを表現できる華やかな言葉をちりばめると、一気に旅のワクワク感が高まります。
修学旅行の行き先として、京都や沖縄も人気がありますが、京都が「和の伝統美」、沖縄が「豊かな自然と悲劇からの復興」であるのに対し、長崎が持つ最大の個性は「日本・中国・オランダの文化が奇跡的にブレンドされた、どこかハイカラでエキゾチックな街並み」です。
教科書で習った「出島」や、教科書の外にある「グラバー園から見下ろす美しい港の景色」、そして「石畳の坂道」など、訪れる前から胸が躍るようなビジュアルが思い浮かぶ言葉を選ぶと、しおりを開くたびに旅行への期待感が膨らみますよね。
しかし、ただ「観光を楽しもう」というトーンだけでは、今度は学校側の教育目標と噛み合わなくなってしまいます。
そこで、「異国情緒」や「歴史ロマン」という情緒的な言葉に、「学びを深める」「軌跡を辿る」「新たな発見」といった探究的な動詞をセットにするのが上手なやり方です。
例えば、「出島の記憶から世界を見つめる」「和華蘭の風に吹かれて、多様な文化に触れる旅」といった表現にすることで、ただ楽しい観光旅行ではなく、自分たちの視野を世界や多様性へと広げる『知的な大冒険』であることをしっかりとアピールできます。
- 和華蘭(わからん):日本(和)、中国(華)、オランダ(蘭)の融合。多様性を学ぶスローガンに最適。
- 出島(でじま):鎖国時代唯一の窓口。自分の世界や視野を広げる比喩としても使いやすい。
- 坂道・港・石畳:長崎の実際の風景。班別自主研修での「歩み」や「協力」と重ね合わせやすい。
これらの情緒豊かな言葉を使用することで、長崎という土地の持つ美しさと知的な学びを同時に表現できます。
一生に一度しかない修学旅行だからこそ、しおりの表紙に並ぶ言葉にも、港町長崎のエキゾチックな風を感じられるような、おしゃれでちょっと背伸びしたフレーズを混ぜてみてはいかがでしょうか。
四字熟語や英語を使ってかっこいい響きにする技術
スローガンの中心に、誰もが意味を直感的にイメージできる四字熟語や、シンプルで洗練された短い英語フレーズをポンと配置すると、視覚的にも聴覚的にもスローガン全体がキュッと引き締まります。
これにはちゃんとした理由があります。
日本語だけでだらだらと長い文章を書いてしまうと、声に出して読み上げたときにリズムが悪く、しおりの表紙や垂れ幕のデザインとしても少しパッとしない印象になりがちです。
一方で、漢字4文字の重厚感や、英語が持つスタイリッシュな響きをメインタイトルとしてドーンと据え置くことで、一瞬で「お、なんだかかっこいいな!」とみんなの目を引く効果が生まれます。
しおりを配られたクラスの友達も、これなら素直に「かっこいいじゃん」と受け入れてくれやすいですし、実行委員としてのセンスの良さも見せられますよね。
ただし、ここで初心者が陥りがちなのが「難しすぎる言葉を選んでしまう」という落とし穴です。
例えば、辞書をひっくり返して見つけてきたような、誰も読み方も意味もわからない四字熟語や、長くて複雑な英文を書いてしまうと、周囲の生徒から「なんて読むの?」「どういう意味?」と一気に引かれてしまいます。
これではせっかくのスローガンが、形骸化したただの飾りになってしまいます。
大切なのは、「誰もが一度は聞いたことがあり、かつ長崎の学びや自分たちの目標に優しくフィットする言葉」を選ぶことです。
| おすすめの表現 | 言葉に込められる意味と長崎との関連性 | おすすめの学年・対象 |
|---|---|---|
| 温故知新(四字熟語) | 長崎の古い歴史を丁寧に学び、そこからこれからの平和や未来への新しい知恵を得る。 | 中学生・高校生(定番で最も使いやすい) |
| 一期一会(四字熟語) | 長崎で出会う人々(被爆講話の先生など)や、仲間と過ごすこの一瞬の旅路を大切にする。 | 小学生・中学生(分かりやすさ重視) |
| Step to the Future(英語) | 長崎の平和学習を踏み台にして、自分たちが未来へ向かって一歩を踏み出す。 | 高校生(スタイリッシュさを追求したいとき) |
あまり難解すぎる言葉だと周りの生徒に意味が伝わらなくなってしまうので、誰もが聞いたことのある分かりやすいフレーズを選ぶのがコツです。
意味をしっかり説明できるようにしておけば、先生からのウケも抜群ですよ。
クラスメイトみんながスラスラ唱和できる、親しみやすさとかっこよさを両立させた一言を狙ってみてください。
メインタイトルとサブタイトルを使い分ける構造
スローガンを実際に1つの形にまとめ上げる際は、キャッチコピーとなる短い「メインタイトル」と、旅の具体的な目的を説明する「サブタイトル」の2段構造にするのが最もおすすめです。
これは、私が実行委員の会議を見ていて最もよく感じるポイントなのですが、たくさんの人の意見を取り入れようとすればするほど、スローガンはどんどん長くなってしまいます。
例えば「長崎の歴史と平和を学びながら、ルールを守ってみんなで協力し、一生の思い出を作る旅」といったスローガンはどうでしょうか。
確かに言いたいことは全部入っていますが、リズムが崩れてしまい、結局しおりの表紙に載せても「何が言いたいスローガンなのか」がパッと頭に入ってきませんよね。
文字で埋め尽くされたしおりは、デザイン的にも少し残念です。
この「情報を詰め込みすぎて破綻する」という大問題を、メインとサブの使い分けが綺麗に解決してくれます。
メインタイトルでは、英語や四字熟語、またはエキゾチックな一言を使って、旅全体の「雰囲気」や「最大のテーマ」をかっこよく一言で表現します。
そして、そのすぐ後ろに配置するサブタイトルで、「長崎のどこに行って、自分たちはどう成長したいのか」という具体的な行動目標を日本語で丁寧に補足してあげるのです。
この役割分担を意識するだけで、文字の並びが一気に見違えるようになります。
と補足文(サブタイトル)の役割分担5.jpg)
いくつか実践的なテンプレートパターンを挙げてみますね。
- パターンA(英語+日本語)
「Peace and Smile 〜長崎の空の下、共に紡ぐ未来のバトンとみんなの笑顔〜」 - パターンB(四字熟語+日本語)
「温故知新 〜長崎の軌跡に学び、仲間と深める絆の歩み〜」 - パターンC(長崎ワード+日本語)
「長崎ロマン 〜異国情緒に触れ、自主自立で創る僕たちの新時代〜」
この2層構造を意識するだけで、誰でもプロが作ったようなバランスの良いスローガンに仕上げることができます。
会議でたくさんの意見が出てきてまとまらなくなったときは、「どれをメインのかっこいい一言にして、どれをサブの行動目標に振り分けるか?」という視点で整理整頓してあげると、びっくりするほど話し合いが早く片付きますよ。
先生の許可が下りやすいスローガン決定時の注意点
学校側にスローガンを提出し、一発で承認(OK)をもらう最大のコツは、楽しさや面白さだけでなく、「教育目標」や「平和学習への真摯な姿勢」を全体のどこかに必ず盛り込んでおくことです。
修学旅行を計画する側として忘れてはならないのは、これが「学校行事」であり、楽しい観光だけでなく「学び」が前提のオフィシャルなイベントだという点です。
どうしても生徒同士でアイデアを出していると、ノリが良くなってしまって「長崎ちゃんぽん食い倒れツアー!」「カステラ食べてお土産いっぱい買う旅」といった、面白おかしさだけに偏った案が盛り上がってしまいがちです。
しかし、こういったお遊び要素だけのスローガンをそのまま提出すると、先生(特に学年主任の先生や校長先生)から「これは単なるレジャーですか?」「学校の行事としての学びの意味がありません」と、容赦なく却下されてしまうリスクが非常に高くなります。

そうなると、せっかく時間をかけて話し合った時間がすべて無駄になり、やり直しになってしまいます。
もし、少しでも面白い要素やユーモアを入れたい場合は、リズムを整えて韻を踏む(ダジャレではなく、耳触りの良い響きにする)程度にとどめるか、メインを真面目にしてサブの最後で少しだけ笑顔を誘うような表現に調整するのが大人のアプローチです。
また、学校の教育方針によっては、英語の多用や、難解すぎて誰も意味を説明できないような四字熟語は「日本語の美しさや、生徒全員が直感的に共通の目標を持てることを重視する」という観点から、好まれない場合もあります。
そのため、決定前の段階で「今回のスローガンに英語を使おうと思っているのですが、大丈夫でしょうか?」と、担任の先生にサラッと探りを入れておくのが一番の安全策になります。
- NG:カステラちゃんぽん食べまくり!長崎エンジョイ旅行
- 理由:ただの観光・レジャーに見えてしまい、教育的意義が一切感じられないため。
- 対策:メインに「異国情緒」や「歴史学習」の要素を置き、サブの目的で楽しさや協調性を表現する。「異国情緒に触れる旅 〜歴史に学び、仲間との最高の思い出を〜」などに言い換える。
先生がしおりを見たときに「しっかり修学旅行の目的を考えて作ったんだな」と伝わる言葉を選ぶことが、一発で許可をもらうための最大のポイントです。
自分たちも納得できて、先生からも「これなら安心だね」と背中を押してもらえるような、知的な気配りをぜひ言葉の中に織り交ぜてみてください。
まとめ
修学旅行のスローガン作りは、長崎の魅力を知り、自分たちがどんな旅をしたいのかを考える素晴らしいきっかけになります。
被爆地としての平和学習という重みのあるテーマと、友達と過ごす最高の思い出作りという2つの目的を、上手に方程式を使って掛け合わせてみてください。
小学生なら平易で優しい言葉、中学生なら平和と絆の定番メッセージ、高校生なら自発的な探究心と未来への意志を込めた表現が、それぞれの学年にとてもよく似合います。
実行委員会の仲間と一緒に、あてはまるキーワードを選んで繋ぎ合わせるだけで、必ず誰からも納得してもらえる素晴らしい言葉が生まれますよ。
ぜひ、今回ご紹介した3つのステップやキーワード表を活用しながら、実行委員の仲間と意見を出し合って、皆さんの学年ならではの素晴らしいスローガンを完成させてくださいね。
一生の思い出に残る、安全で実りある長崎旅行になることを心から願っています。


