卒業式の送辞で使う時候の挨拶は、形式よりも気持ちをどう伝えるかが何より重要です。
特に3月の卒業式では、地域によって雪が残っていたり、雨が降ったり、桜がまだ咲いていなかったりと、状況はさまざまです。
だからこそ、天候や季節を断定しすぎず、「春の訪れ」「巣立ち」「未来への希望」を感じさせるやわらかい表現を選ぶことが、感動や泣ける送辞につながります。
この記事では、卒業式の送辞で使う時候の挨拶に悩む中学生や高校生に向けて、書き出しの考え方から、そのまま使える例文までを分かりやすくまとめています。
- 卒業式の送辞で時候の挨拶が大切とされる理由
- 3月の卒業式に合う書き出しの考え方と表現のコツ
- 桜・雪・雨など状況別に使える時候の挨拶例文
- 中学生・高校それぞれに適した送辞表現のポイント
卒業式の送辞で使う時候の挨拶の基本

ここからは、卒業式の送辞において時候の挨拶がなぜ重要なのかを押さえたうえで、3月の卒業式にふさわしい考え方や表現のポイントを順を追って解説していきます。
中学生・高校生それぞれに合った書き出しの工夫や、感動や泣ける送辞に近づけるための言葉選びまで、初めて送辞を書く人にも分かりやすく整理しています。
時候の挨拶に迷っている方は、この先の内容を参考にしながら、自分らしい送辞を形にしていきましょう。
卒業式の送辞で時候の挨拶が重要な理由
卒業式の送辞において時候の挨拶は、単なる形式的な書き出しではなく、式全体の雰囲気を決定づける大切な役割を担っています。
送辞は在校生を代表して卒業生へ贈る言葉であり、最初の一文で「どのような気持ちで送り出したいのか」を自然に伝える必要があります。
その入口となるのが時候の挨拶です。
実は、卒業式のような儀式的行事は、学校生活に有意義な変化や折り目を付け、厳粛で清新な気分を味わうためのものとして位置づけられています。(出典:文部科学省『中学校学習指導要領 第5章 特別活動』)
式の空気を作る「最初のスイッチ」
卒業式という場は、喜びと寂しさが同時に存在する特別な時間です。
会場にいる全員が少し緊張している中で、最初に読まれる送辞の一言目は、その場の空気を大きく左右します。
だからこそ、時候の挨拶で季節の移ろいを表現することで、「一区切り」と「新たな始まり」を象徴的に伝えることができます。
いきなり本題に入るのではなく、季節の言葉をクッションとして挟むことで、聞き手である卒業生や保護者の心がふっと和らぎ、その後の言葉を受け入れる準備が整うのです。
「未来」を予感させる演出効果
春に向かう情景は、卒業という節目と非常に相性が良く、聞いている卒業生や保護者の心を自然と未来へ向けてくれます。
冬の厳しさが和らぎ、新しい命が芽吹く季節の様子は、困難を乗り越えて成長した卒業生の姿と重なるからです。
また、送辞を読むのは中学生や高校生であることがほとんどです。
そのため、難解な漢語調や堅苦しい表現よりも、素直で温かみのある言葉が求められます。
時候の挨拶で柔らかい表現を選ぶことで、「在校生らしさ」や「心からの祝福」が伝わりやすくなります。
形式を整えるためだけに入れるのではなく、気持ちを乗せるための導入として考えることが重要です。
在校生ならではの視点を盛り込む
さらに、送辞は来賓や先生の挨拶と並んで読まれるため、一般的な定型表現を使うと内容が重なりやすくなります。
大人たちが使う「春暖の候」といった固い表現ではなく、時候の挨拶を工夫することで、在校生ならではの視点や学校生活に根ざした言葉を盛り込むことができ、印象に残る送辞につながります。
「教室の窓から見える景色」や「通学路の風の匂い」など、生徒だからこそ感じられる季節感を言葉にすることで、ありきたりではない、自分だけの送辞になります。
最初の数行だからこそ、丁寧に考える価値がある部分だと言えるでしょう。
3月の卒業式に合う時候の挨拶の考え方
3月の卒業式で使う時候の挨拶は、「正確な季節描写」よりも「春へ向かう雰囲気」を意識して考えることが大切です。
3月は「三寒四温」という言葉がある通り、地域によって気候差が大きく、雪が残る場所もあれば、すでに春の暖かさを感じられる地域もあります。
そのため、当日の天気や気温を断定する表現は避け、幅を持たせた言い回しを選ぶのが基本です。
「今日は暖かいです」と言い切ってしまうと、もし当日が寒の戻りで極寒だった場合、聞き手は違和感を覚えて現実に引き戻されてしまいます。
断定を避けて「気配」を描写する
具体的には、「春の気配が感じられる」「少しずつ暖かさを感じる季節」「新しい季節の訪れを感じる今日この頃」といった表現が適しています。
これらは「気配」や「感じ」という主観的な表現を含むため、寒暖どちらにも対応でき、聞き手に違和感を与えません。
気象状況を説明するニュースキャスターのような言葉ではなく、心情や空気感を表すイメージで言葉を選ぶことがポイントです。
たとえば、「日差しは春めいてきましたが」と言えば、空気が冷たくても光の明るさを強調でき、前向きな印象を残せます。
季節とテーマをリンクさせる
また、卒業式の送辞では「季節」そのものよりも、「巣立ち」「成長」「未来」といったテーマと結びつけることが重要です。
例えば、桜のつぼみや芽吹く草木といった表現は、卒業生のこれからを象徴的に表すことができます。
実際に桜が咲いていなくても、「つぼみ」「兆し」という言葉を使えば、季節感と未来への期待を同時に伝えることができます。
以下のような対比を意識すると、言葉が選びやすくなります。
| 季節の要素 | 卒業式のテーマとの結びつき | キーワード例 |
|---|---|---|
| 冬から春への変化 | 困難を乗り越えた成長 | 雪解け、やわらかな日差し、ぬくもり |
| 植物の芽吹き | 未来への希望、可能性 | つぼみ、息吹、芽吹き、若草 |
| 風や光 | 背中を押すエール | 春一番、光のシャワー、優しく包む風 |
考える際は、「この言葉を聞いた卒業生がどんな気持ちになるか」を想像すると選びやすくなります。
不安と期待が入り混じる卒業生に対し、前向きで温かい印象を与える表現を選ぶことで、その後に続く感謝や激励の言葉がより心に響きます。
3月の時候の挨拶は、送辞全体の流れを整えるための土台であり、卒業生の未来をそっと後押しする役割を果たしているのです。
中学生の卒業式送辞に合う書き出し

中学生が送辞を書く場合、書き出しでは背伸びをしすぎず、素直な気持ちが伝わる表現を選ぶことが最も大切です。
難しい言葉や大人びた言い回し(漢語調)を無理に使うよりも、在校生として感じている率直な思いを、季節の情景と重ねて伝えることで、自然と心に届く送辞になります。
和語(やまとことば)の響きを大切に
中学生の送辞にふさわしい時候の挨拶は、春の訪れをやわらかく感じさせる和語調の表現です。
「長い冬を越え、少しずつ春の気配が感じられる季節となりました」「校庭に吹く風にも、春の訪れを感じる今日この頃」といった表現は、聞き手に穏やかな印象を与えます。
「陽春の候」といった手紙の書き出しのような言葉は、中学生が口頭で話すと少し堅苦しく聞こえてしまうことがあります。
それよりも「やわらかな」「あたたかな」といった形容詞を使ったほうが、等身大の言葉として響きやすくなります。
気温や天候を断定せず、雰囲気を表現することで、どの地域でも違和感なく使えます。
「おめでとう」へのスムーズな接続
また、書き出しでは時候の挨拶と卒業生への祝福を無理なくつなげることが重要です。
季節の言葉だけで終わらせず、「このような良き日に、先輩方がご卒業を迎えられましたことを、在校生一同心よりお祝い申し上げます」と続けることで、送辞としての流れが整います。
形式を意識しすぎず、「おめでとう」という気持ちを丁寧な言葉に置き換える意識が大切です。
たとえば、部活動でお世話になった先輩の顔を思い浮かべながら書くと、自然と心がこもった言葉が出てくるはずです。
中学生の送辞は、完璧な文章よりも温かさが重視されます。
最初の書き出しで優しい空気を作ることができれば、その後に続く思い出や感謝の言葉も、自然と受け入れてもらえる送辞になります。
読み上げる際も、ゆっくりと丁寧に語りかけることを意識しましょう。
高校の卒業式送辞に使える時候の挨拶
高校の卒業式送辞では、中学生よりも少し落ち着いた表現が求められますが、堅苦しすぎる言葉は避けるのがポイントです。
高校生らしい知性と感情のバランスを意識しながら、春の情景を取り入れた時候の挨拶を考えると、品のある送辞になります。
「変化」と「節目」を格調高く表現する
高校の送辞に適した時候の挨拶は、「変化」や「節目」を感じさせる表現が効果的です。
「日ごとに春の訪れを感じる季節となりました」「新しい季節の始まりを告げる今日この頃」といった表現は、卒業という人生の節目と自然に重なります。
また、少し言葉選びを工夫して、「寒さの中にも、確かな春の息吹を感じる季節」のように、「確かな」といった意思を感じさせる言葉を混ぜると、高校生らしい凛とした雰囲気が出ます。
漢語調を使う場合でも、「春暖の候」のような書き言葉そのものではなく、「春光うららかな今日の良き日に」といった、口に出して美しい言葉を選ぶと、聞きやすさと格式を両立できます。
多様な進路を包み込む表現
また、高校の卒業生は進学や就職など進路が多様であるため、特定の未来を限定する表現は避ける必要があります。
「大学へ行っても」と言ってしまうと、就職する人には響きません。
その点でも、時候の挨拶は「新たな一歩」「それぞれの道へ進む」「大空へ羽ばたく」といった幅のある表現と相性が良く、後に続く激励の言葉へつなげやすくなります。
高校の送辞では、時候の挨拶が文章全体の格調を左右します。
落ち着いた季節表現を用いることで、式の厳粛さを保ちつつ、在校生からの敬意と感謝をしっかりと伝えることができます。
大人への第一歩を踏み出す先輩たちにふさわしい、敬意を持った言葉選びを心がけましょう。
感動や泣ける送辞に近づく表現のコツ
感動や泣ける送辞を目指す場合、特別な言葉や大げさな表現を使う必要はありません。
むしろ、日常の中で感じてきた思いを、丁寧な言葉で表現することが、心に残る送辞につながります。
時候の挨拶も、その感動を生み出す重要な入り口になります。
情景と心情のリンクさせる
感動を生むためには、時候の挨拶を「心情」と結びつけることが効果的です。
単に「春になりました」と述べるのではなく、「春の訪れとともに、先輩方がこの学び舎を巣立つ日を迎えました」といったように、季節と卒業生の姿を重ねることで、情景が浮かびやすくなります。
「いつもの通学路の景色も、今日はどこか違って見えます」といったように、主観的な感覚を入れるのもテクニックの一つです。
これにより、聞き手は「ああ、今日は特別な日なんだ」と改めて実感し、感情移入しやすくなります。
「完璧ではない姿」への共感
また、送辞全体を通して大切なのは、先輩方を理想化しすぎないことです。
完璧な存在として描くよりも、「迷いながらも前に進む姿」「努力を続けてきた姿」に触れることで、共感が生まれます。
その前段として、時候の挨拶で「まだ寒さが残るけれど、春に向かっている」や「蕾はまだ固いけれど、確実に花開こうとしている」といった「過程」や「未完成」の美しさを表現すると、卒業生の心境と重なりやすくなります。
「これから」という期待感を含ませるのです。
感動や涙は、無理に引き出すものではありません。聞き手が自分自身の思い出を重ねられる余白を残すことで、自然と心が動きます。
時候の挨拶を含めた送辞全体を通して、静かに寄り添うような言葉選びを意識することが、泣ける送辞へと近づく最大のコツです。
卒業式の送辞で使える時候の挨拶の例文集

ここからは、実際の卒業式でそのまま活用しやすい時候の挨拶例文を、状況別に紹介していきます。
桜が印象的な場合や雪が残る地域、雨の日の卒業式など、さまざまな場面に対応できる表現をまとめました。
書き出しに使いやすい例文や、手直しせずに使える文章も紹介しているので、自分の学校や当日の状況に合った言葉を選ぶ際の参考にしてください。
文章の一部を自分の学校の風景に合わせてアレンジするのもおすすめです。
桜を使った卒業式送辞の時候の挨拶例文
桜を使った時候の挨拶は、卒業式の送辞において最も親しまれている表現の一つであり、春の訪れと巣立ちを同時に伝えられる点が大きな魅力です。
ここで注意したいのは、実際の開花状況です。
卒業式の時期はまだ満開ではないことが多いため、「満開の桜」と言ってしまうと嘘になってしまいます。
しかし、「つぼみ」や「ほころび始めた桜」を用いることで、どの地域や時期にも対応しやすくなり、かつ「これから咲く=これからの未来」というポジティブな意味を持たせることができます。
桜の状態別・使い分け例文
| 桜の状態 | 例文 | 込められた意味 |
|---|---|---|
| つぼみ (まだ咲いていない) |
校庭の桜のつぼみもふくらみ、春の息吹を感じる季節となりました。 | 未来への可能性、準備が整った状態 |
| 咲き始め (ちらほら) |
桜の枝もほころび始め、春の訪れを告げる今日この頃。 | 新しい始まり、希望の兆し |
| 早咲き/満開 (暖かい年) |
春風に舞う桜の花びらが、先輩方の門出を祝福しているかのようです。 | 盛大な祝福、華やかな門出 |
桜は日本人にとって特別な存在であり、新しい始まりや希望を象徴します。
そのため、「校庭の桜のつぼみが膨らみ、春の訪れを感じる季節となりました」といった表現は、卒業生の未来を暗示する言葉として自然に受け取られます。
ここに「本日、この学び舎を巣立たれる先輩方、ご卒業おめでとうございます」と続けることで、時候の挨拶と祝辞が一体となった書き出しになります。
実際の例文としては、「校庭の桜のつぼみがやわらかく色づき、春の気配を感じる季節となりました。
本日、この○○中学校を巣立っていく先輩方、ご卒業おめでとうございます」のように、短くまとめると聞き取りやすくなります。
情景描写は一文に詰め込みすぎず、余白を持たせることが大切です。
桜の美しさを語るのではなく、これから花開く存在として卒業生を重ねることで、送辞全体が前向きな印象になります。
控えめでやさしい表現こそが、心に残る時候の挨拶につながります。
雪が残る地域向けの卒業式送辞例文
北海道や東北、北陸などの雪国や、山間部では、3月の卒業式でも校庭に雪が残っていることが珍しくありません。
そのような地域での卒業式では、一般的な「春爛漫」といった表現が現実と合わず、違和感を覚えることも少なくありません。
そのような場合は、「寒さの中にも春の兆しが感じられる」といった中間的な表現を用いることで、無理のない時候の挨拶になります。
むしろ、厳しい冬を耐え抜いた雪国の春だからこそ、より力強いメッセージになります。
「雪解け」を成長のメタファーにする
雪のある風景は、厳しさと静けさを併せ持つ象徴的な存在です。
そのため、「長い冬を越え、雪の残る校庭にも少しずつ春の訪れが感じられる季節となりました」という表現は、受験勉強や部活動など、卒業まで努力を重ねてきた先輩方の姿と自然に重なります。
季節の厳しさを否定せず、「雪があるからこそ春の喜びがある」というニュアンスを含めることが重要です。
例文としては、「雪の残る景色の中にも、確かな春の足音が聞こえてくる季節となりました。本日、○○高校を巣立たれる皆さま、ご卒業おめでとうございます」といった形が使いやすいでしょう。
天候や気温を断定せず、心の変化や微細な風景の変化(雪解け水の音、日差しの温もりなど)に焦点を当てることで、聞き手に安心感を与えます。
雪をテーマにした時候の挨拶は、他地域とは異なる印象を残せる点も強みです。
地域性を大切にしながら、卒業生の未来を明るく照らす言葉を選ぶことで、在校生ならではの温かい送辞になります。
寒さの中に芽生える春を表現することで、困難を乗り越えてきた卒業生への敬意と祝福が、より深く伝わります。
雨の日でも使える送辞の時候の挨拶

卒業式当日が雨の場合でも、違和感なく使える時候の挨拶を選ぶことは十分に可能です。
雨を「残念なもの」として否定的に捉えるのではなく、「新しい門出を静かに見守る存在」や「恵みの雨」として表現することで、卒業式にふさわしい落ち着いた雰囲気を作ることができます。
天候に左右されない「無難」な逃げ方
まず、雨の日に避けたいのは、「晴れやか」「暖かな日差し」といった天候を断定する表現です。
これを使ってしまうと、窓の外の雨とのギャップで白々しくなってしまいます。
その代わりに、「春の訪れを感じる季節」「新しい季節へと向かう今日この頃」といった、天候に左右されない言い回しを用いると安心です。
これにより、実際の天気とずれる心配がなくなります。
原稿を作る段階では当日が晴れるか雨かわからないため、この「全天候型」の表現で準備しておくのが最も安全です。
雨をあえて演出に取り入れる場合
もし、当日の朝に原稿を修正できるなら、雨をあえて取り入れるのも素敵です。やわらかく象徴的に表現することがポイントです。
「静かに降る雨が、新たな旅立ちを祝福しているかのようです」「春を告げる雨が大地を潤す中、本日この良き日を迎えました」といった表現は、しっとりとした感動を演出できます。
「雨降って地固まる」のことわざ通り、雨をネガティブに描かず、これからの人生の土台を作るものとして結びつけることで、前向きな印象になります。
雨の日でも使える時候の挨拶は、情景よりも「気持ち」や「意味づけ」に焦点を当てることが大切です。
卒業生の門出を思う気持ちが伝われば、天候は問題になりません。
落ち着いた言葉選びを心がけることで、どのような天気でも安心して読める送辞になります。
書き出しに使いやすい卒業式送辞例文
卒業式の送辞では、書き出しの一文が全体の印象を大きく左右します。
だらだらと長い前置きをするよりも、聞き手が自然と耳を傾けられるよう、シンプルで分かりやすい表現を選ぶことが、書き出しを成功させるポイントです。
書き出しに使いやすい例としては、「春の気配が感じられる季節となりました。
本日、○○中学校を巣立たれる先輩方、ご卒業おめでとうございます」といった構成が挙げられます。
このように、【時候の挨拶】+【お祝いの言葉】を一続きにすることで、無駄がなく、聞き取りやすい文章になります。
感情先行型の書き出しテクニック
また、少し変化をつけて、「少しずつ春へと向かうこの季節、先輩方がご卒業の日を迎えられましたことを、在校生一同心よりお祝い申し上げます」のように、感情を先に込める書き方も効果的です。
「季節」よりも「お祝いしたい気持ち」を前面に出す形です。
形式にとらわれすぎず、「祝いたい気持ち」が伝わる流れを意識すると、自然な書き出しになります。
書き出しは長くする必要はありません。
情景描写は一文程度にとどめ、すぐに卒業生への言葉につなげることで、送辞全体のテンポが良くなります。
読み手が安心して言葉を発せられる構成こそが、最も使いやすい書き出しです。
そのまま使える卒業式送辞の時候の挨拶例文
送辞を書く時間が限られている場合や、どうしても良い表現が思い浮かばない場合には、そのまま使える時候の挨拶例文を参考にするのも一つの賢い方法です。
ここでは、どの学校・地域でも使いやすく、失礼に当たらない「鉄板」の表現を紹介します。
汎用性の高い「安全」な例文リスト
【中学生向け・柔らかめ】
「春の訪れを感じる季節となりました。本日、この学び舎を巣立っていく先輩方、ご卒業おめでとうございます。」
(解説:天候や地域性に左右されず、卒業式に必要な要素を過不足なく含んだ最も使いやすい表現です。)
【高校生向け・少し落ち着いた印象】
「新しい季節の始まりを感じる今日この頃、先輩方がご卒業を迎えられましたことを、在校生一同心よりお祝い申し上げます。」
(解説:『新しい季節の始まり』という言葉が、次のステージへ進む高校生にマッチします。)
【情景重視・感動的】
「やわらかな日差しに春の気配を感じる佳き日、希望を胸に旅立たれる先輩方、ご卒業おめでとうございます。」
(解説:『佳き日(よきひ)』という言葉を使うことで、式典の特別感を演出できます。)
そのまま使える例文であっても、大切なのは気持ちを込めて読むことです。
文章が整っていればいるほど、読み手の声のトーンや、一言一言の間の取り方が感情を伝えます。
無理に言葉を飾ろうとして失敗するより、シンプルな言葉に素直な祝福の気持ちを乗せるほうが、結果として心に残る送辞になります。
まとめ
この記事のポイントをまとめます。
- 卒業式の送辞における時候の挨拶は、式全体の印象を左右する重要な書き出しである
- 形式的な季節表現よりも、気持ちが伝わるやわらかい言葉選びが大切
- 3月の卒業式では、春へ向かう雰囲気を意識した表現が適している
- 天候や気温を断定する表現は避け、地域差に配慮する必要がある
- 中学生の送辞では、素直さと温かさを重視した表現が好まれる
- 高校の送辞では、落ち着きと聞きやすさのバランスが重要になる
- 桜は満開でなくても「つぼみ」などで未来への希望を表現できる
- 雪が残る地域では、冬から春への移り変わりを意識した表現が有効
- 雨の日でも使える時候の挨拶は、天候に左右されない言葉選びが鍵
- 例文はそのまま使うだけでなく、気持ちを込めて読むことが大切
卒業式の送辞は、在校生から卒業生へ贈る最後のメッセージです。
時候の挨拶は単なる決まり文句ではなく、気持ちを届けるための大切な入り口になります。
桜や雪、雨といったその日の状況や、自分たちの学校の風景に合わせた表現を工夫しながら、春の訪れや新たな旅立ちへの想いを言葉にしてみてください。
完璧な文章でなくても、心を込めた言葉は必ず相手に伝わります。この記事を参考に、自分らしい送辞で卒業生の門出を温かく送り出してくださいね。

