生徒会選挙への立候補、誠におめでとうございます!多くの方が「他の候補者と差がつくような、斬新な公約が思いつかない…」と、大きな壁に直面しているのではないでしょうか。
インパクトのある面白い公約を掲げて当選したい、でも過去の生徒会選挙の公約一覧を眺めても、なかなかピンとくるアイデアが見つからない。そんなお悩みは、決してあなた一人だけのものではありません。
この記事では、意欲あふれる中学生や高校生の皆さん、そして会長だけでなく副会長を目指す方にも役立つ、具体的で実現可能な公約の作り方を、基本から応用まで徹底的に解説します。
- 斬新な生徒会公約を考える上で絶対に外せない基本的な心構え
- 他の候補者と一線を画す、ユニークな公約アイデアを生み出すための発想法
- 中学生・高校生それぞれの学校生活のステージに合わせた具体的な公約事例
- 多くの候補者が陥りがちな、支持を得られないNG公約のパターンとその改善策
生徒会の公約で斬新なアイデアを考える前に知るべき基本

- なぜ斬新な公約が思いつかないのか?
- 大前提!実現可能な公約であること
- 抽象的でNGな公約パターンに注意
- まずは生徒会選挙の公約一覧をチェック
- 中学生と高校で異なるアプローチ
- 副会長ならではの公約の立て方
なぜ斬新な生徒会公約が思いつかないのか?
生徒会選挙で勝利を掴むために斬新な公約を掲げたいのに、なぜか良いアイデアが全く浮かんでこない。その根本的な原因は、いくつかの固定観念や心理的なブレーキに陥っているからかもしれません。多くの候補者がこの壁にぶつかります。
まず最も大きな原因として、「斬新さ=誰もやったことがない奇抜なこと」という思い込みが挙げられます。この考えが強すぎると、アイデアのハードルを無意識に高く設定してしまい、現実離れした突飛な発想ばかりを追い求めてしまいます。その結果、「こんなのは無理だ」と自己却下を繰り返し、最終的に何も思いつかないという袋小路に迷い込んでしまうのです。
逆に、「挨拶運動の徹底」や「意見箱の設置」といった、いわゆる”定番”の公約に意識が向きすぎているケースも少なくありません。これらの公約は手堅い一方で、ありきたりな印象を与えがちです。過去の成功例に囚われるあまり、新しい発想を生み出す視野が狭くなってしまっているのです。
公約が思いつかない思考のループと、その解決策
- 思考のループ:斬新さを意識しすぎて、アイデアのハードルを自ら上げすぎている。
解決策:「斬新=新しい組み合わせ」と捉え直す。既存のアイデアに少しだけ新しい要素を足すことから始める。 - 思考のループ:過去の公約や定番のアイデアに囚われ、自由な発想ができなくなっている。
解決策:一度、学校のルールや予算を度外視して「もし何でもできるなら?」という視点で自由にアイデアを書き出してみる。 - 思考のループ:学校の課題や生徒の本当のニーズを十分にリサーチできていない。
解決策:友人との雑談からヒントを探す、小規模なアンケートを実施するなど、情報収集から始める。 - 思考のループ:一人で完璧なアイデアを出そうと抱え込み、客観的な視点を失っている。
解決策:信頼できる友人や先生に壁打ち相手になってもらい、アイデアの種を共有する。
言ってしまえば、革新的なアイデアとは、全くのゼロから生まれるものではなく、既存のアイデアの「新しい組み合わせ」や、「視点の転換」によって生まれることがほとんどです。まずは「選挙に勝てる完璧なアイデアを出さなければ」という過度なプレッシャーから自分を解放し、リラックスした状態で多角的に物事を考える時間を持つことが、創造的な発想への第一歩と言えるでしょう。
大前提!実現可能な公約であること
どれだけ演説が盛り上がり、生徒たちの心を掴んだように見える公約でも、そもそも実現可能でなければ、それは「公約」ではなく「嘘」になってしまいます。これは生徒会選挙において、有権者からの信頼を得るための最も重要な大原則です。
例えば、「夏休みを1週間延長します!」「校舎を最新設備に建て替えます!」といった公約は、生徒の権限や学校の予算、さらには教育課程といった根本的な制約を考えると、まず実現不可能です。
このような実行不可能な公約を掲げてしまうと、その場では注目を浴びるかもしれませんが、冷静な生徒や先生方からは「ただ目立ちたいだけだな」「学校の仕組みを全く理解していないな」と判断され、かえって信頼を大きく損なう結果になります。
信頼こそが、選挙で貴重な一票を集め、当選後に他の生徒や先生方の協力を得ながら活動をスムーズに進めるための、何より大切な基盤なのです。
実現不可能な公約がもたらす深刻なデメリット
実現できない約束は、期待してくれた有権者である生徒たちを裏切るだけでなく、立候補者自身の評判や信頼性を著しく損ないます。
もし当選できたとしても、「公約違反だ」という批判に常に晒され、他の真っ当な活動を進める上でさえ、大きな障害となるでしょう。生徒会活動そのものが停滞する原因にもなりかねません。
公約を具体的に考える際は、常に自問自答する癖をつけましょう。以下のチェックリストを参考に、あなたのアイデアを客観的に評価してみてください。
公約の実現可能性チェックリスト
- ✅ この公約の実現に、学校(先生方や理事会など)の許可は必要か?
- ✅ 予算は必要か?必要な場合、その予算はどこから確保できそうか?
- ✅ 生徒会役員の活動時間だけで実行できる内容か?他の生徒の協力は必要か?
- ✅ 学校の規則(校則)や、より上位の教育委員会のルールに抵触しないか?
- ✅ 過去に同じような提案が却下されたことはないか?(先生や先輩に確認)
少しでも不安や疑問があれば、立候補前に必ず信頼できる先生や先輩の生徒会役員に相談し、実現の可能性について客観的な意見を求めることが不可欠です。地道で目立たない活動に見えても、着実に実行できる誠実な公約こそが、最終的に多くの生徒からの本質的な支持を集めることに繋がります。

公約の中に「~の実現を目指し、まずは先生方との協議の場を設けることを提案します」といった一文を入れるだけでも、独りよがりではなく、実現に向けたプロセスをしっかり考えているという誠実な姿勢が伝わり、好印象ですよ!
抽象的でNGな公約パターンに注意

「明るく楽しい学校にします!」「みんなが笑顔で過ごせる学校を目指します!」
これらは一見すると非常にポジティブで、誰もが共感できるように聞こえます。
しかし、公約としては具体性に欠け、何をどのように実行するのかが全く伝わらないため、説得力のない「NGパターン」と言わざるを得ません。聞いている生徒たちは「聞こえはいいけど、どうやって実現するの?」と疑問を感じ、立候補者の本気度を測りかねてしまいます。
公約とは、当選後に必ず実行することを約束する「公の約束」です。そのためには、抽象的なスローガンを掲げるのではなく、「誰が」「何を」「いつまでに」「どのように」行うのかという具体的な行動計画を明確に示す必要があります。この具体性こそが、他の候補者との明確な差別化に繋がり、有権者の「この人なら本当に学校を変えてくれそうだ」という期待感を醸成するのです。
ここでは、多くの候補者が陥りがちな抽象的なNG公約と、それを具体的な行動計画に落とし込んだ改善例を比較してみましょう。
| ❌ NGな公約(抽象的) | ✅ 改善された公約(具体的) | ⭐ 具体化のポイント |
|---|---|---|
| 明るい学校にします | 週に一度「あいさつ強化デー」を設け、生徒会役員が校門に立ち、BGMを流しながら挨拶運動を活性化させます | 行動内容と頻度を明記 |
| みんなの意見を大切にします | 各クラスに意見箱を設置し、毎月末に回収。寄せられた意見とそれに対する生徒会の回答を「生徒会だより」として全クラスに掲示します | 意見の収集方法とフィードバック方法を具体化 |
| いじめのない学校にします | Googleフォームを利用した匿名の「悩み相談ポスト」を設置し、養護教諭やスクールカウンセラーの先生と連携して週に一度内容を確認する体制を作ります | 使用ツールと連携先を明確化 |
| 学校行事を盛り上げます | 文化祭で、来場者と生徒による「クラス企画グランプリ」投票を実施。また、体育祭では新たに「部活動対抗リレー」を種目として追加することを提案します | 新しい企画内容を具体的に提示 |
| 勉強しやすい環境を作ります | 定期テスト1週間前から、放課後に多目的室を「集中自習室」として開放し、生徒会役員が監督・管理します | 期間と場所、運営方法を特定 |
このように、「何をしたいのか」という情熱やビジョンだけでなく、「そのために、どういった手順で行動するのか」という具体的なロードマップまで落とし込んで公約を作成することが、有権者の信頼と共感を得るための鍵となります。
まずは生徒会選挙の公約一覧をチェック
全く新しい、斬新なアイデアを生み出すためには、まず「どのような公約が定番なのか」という”基準点”を知ることが非常に効果的なアプローチです。多くの学校で過去に掲げられてきた生徒会選挙の公約一覧に目を通すことで、生徒たちがどのようなテーマに関心を持ちやすいのか、そして学校側がどのような活動までを許可してきたのか、その傾向と実現可能な範囲がおのずと見えてきます。
定番の公約を知ることは、決して過去のアイデアを模倣するためではありません。むしろ、その逆です。これらの定番公約を「土台」として、「自分なら、この定番にどんな新しい要素を加えられるか?」「現代の視点から、どうアップデートできるか?」と発展的に考えることで、ありきたりではない、オリジナリティのある斬新な公約へと昇華させることができるのです。
多くの学校で見られる定番公約のカテゴリー
- ① 学校生活の基盤改善系:挨拶運動の推進、意見箱の設置、校内美化活動(清掃強化週間など)、時間前行動の呼びかけ
- ② 学校行事の活性化系:文化祭や体育祭への新企画導入、球技大会の開催、新入生歓迎会の内容刷新
- ③ 生徒の意見反映・娯楽系:給食リクエストの実施、昼休み放送でのリクエスト曲、図書室へのリクエスト本導入
- ④ 学習環境の整備系:定期テスト前の自習室開放、学習プリントの共有スペース設置、先輩による勉強相談会
これらの定番公約を、どのように斬新なアイデアへと進化させられるでしょうか。以下にいくつかの発想例を挙げます。
- 定番公約「意見箱の設置」 × 「デジタル化」 → 斬新アイデア「QRコードを校内に掲示し、匿名でいつでも意見を送れるオンライン目安箱を設置。AIで意見を分類し、月次の生徒会会議で優先的に議論する」
- 定番公約「挨拶運動」 × 「地域連携」 → 斬新アイデア「地域の商店街と連携し、朝の挨拶運動に参加してくれた生徒に、商店街で使える割引クーポンを配布するキャンペーンを実施する」
- 定番公約「校内美化活動」 × 「エンタメ性」 → 斬新アイデア「クラス対抗の『クリーンアップ・バトル』を開催。ゴミの量や清掃の質をポイント化し、優勝クラスには希望のレクリエーション(ピザパーティーなど)を生徒会予算で開催する」
このように、まずは過去の公約を徹底的にリサーチし、その背景にある生徒のニーズを理解した上で、自分なりの付加価値を加えることが、実現可能でかつ他の候補者と差がつく、説得力のある公約作りの最も確実な近道となります。
中学生と高校で異なるアプローチ

生徒会の公約を立案する上で、有権者である生徒たちの年齢層や発達段階を深く理解することは、共感を得るために極めて重要です。
中学生が日常的に関心を持つ事柄と、高校生が学校生活に求めるものは、その自立度や将来への意識の違いから、少しずつ異なってきます。それぞれのニーズに的確に合わせたアプロ―チを取ることで、公約の説得力は格段に増すでしょう。
中学生に響く公約のポイント:身近な「楽しさ」と「快適さ」
中学生の学校生活は、日々の授業、部活動、そして友人との休み時間の過ごし方といった、非常に身近な要素で構成されています。そのため、彼らの心に響くのは、この日常に直接的な「楽しさ」や「快適さ」をもたらす公約です。大掛かりな改革よりも、具体的で分かりやすい改善が好まれる傾向にあります。
中学生向けの公約具体例
- 給食・昼食の充実:「月に一度の給食リクエストデー」や「人気メニュー総選挙」の開催。購買に新しいパンやお弁当の導入を業者さんと交渉する。
- 休み時間の活性化:各クラスにドッジボールやバスケットボールなど、すぐに使える遊具を配布・貸し出しする制度を設ける。誰でも自由に使えるボードゲームコーナーを図書室などに設置する。
- 部活動のサポート:新入生向けに全文化部・運動部が合同で活動を紹介する「部活動フェスティバル」を企画する。各部の試合結果やコンクールの成績を校内に大きく掲示し、全校で応援する雰囲気を作る。
- 学校生活の彩り:七夕、ハロウィン、クリスマスなど、季節ごとに生徒が参加できる校内装飾プロジェクトを立ち上げる。美術部や有志と協力して、学校を華やかにする。
中学生向けの公約では、「明日からの学校生活が、ちょっとだけ楽しみになる」という期待感を抱かせることが鍵となります。
高校生に響く公約のポイント:未来に繋がる「自主性」と「合理性」
一方、高校生は中学生よりも物事を多角的に捉え、自身の将来や社会との繋がりを強く意識し始めます。そのため、単なる楽しさだけでなく、校則のあり方や進路に関するサポート、より高度で合理的な学校運営など、少し大人びた視点や生徒の自主性を尊重する公約が支持されやすいです。自分たちの手で学校をより良くしていくという当事者意識に訴えかけることが重要になります。
高校生向けの公約具体例
- 校則・ルールの見直し:制服の選択制導入(スラックスやスカート、ポロシャツなど)や、気候に合わせた服装規定の緩和(例:夏季の私服通学可能日の設定)について、全校アンケートを基に学校側と協議する「校則検討委員会」の設置を提案する。
- 進路・キャリア支援の強化:様々な学部や職業の卒業生(OB・OG)を招き、オンライン形式でのキャリア相談会を定期的に開催する。希望者向けに、小論文や面接の練習会を企画する。
- デジタル活用(DX)の推進:委員会活動の連絡や資料共有にGoogle ClassroomやSlackなどのツールを導入し、活動の効率化とペーパーレス化を推進する。
- 生徒の自主活動の場の提供:文化祭や体育祭以外にも、生徒が主体となって企画・運営できる小規模イベント(音楽ライブ、映画上映会、ビブリオバトルなど)の開催をサポートし、そのための手続きを簡素化する。
前述の通り、これはあくまで一般的な傾向です。最も大切なのは、自分の学校の生徒たちが、今まさに何を求めているのかを正確に把握すること。友人との日々の会話に耳を澄ませ、可能であれば学年を越えてアンケートを取るなど、地道なリサーチ活動こそが、本当に響く公約作りの基盤となります。
副会長ならではの公約の立て方
生徒会選挙において、会長が「船の船長」だとすれば、副会長は「航海士」や「機関長」のような存在です。船全体の進むべき方向を示す会長に対し、副会長はその航海がスムーズに進むよう、具体的な航路を計画し、船のエンジンを管理する重要な役割を担います。したがって、副会長に立候補する場合、会長候補とは一線を画した、独自の視点と役割認識に基づいた公約を立てる必要があります。
副会長の公約の根幹をなすのは、「会長を全力で支え、生徒会という組織を円滑に機能させる」という明確な意思表示です。会長が掲げる大きなビジョンや理想を実現するために、自分がどのように具体的な行動で貢献できるのか、その実務能力を具体的にアピールすることが、有権者の信頼を得るための最大のポイントになります。
副会長の公約でアピールすべき3つの重要な視点
- 【サポート力】会長との強固な連携をアピール:
「〇〇会長候補が掲げる『全校生徒が参加する新しいスポーツ大会の創設』という公約を、私が各クラスの体育委員や運動部キャプテンとの調整役を担うことで、具体的にサポートします」のように、特定の会長候補の公約と連携させ、自分を「最高のパートナー」として位置づける。 - 【実行力】実務的な役割と責任感をアピール:
「生徒会会議で決定した事項が、単なる話し合いで終わることのないよう、私がタスク管理と進捗確認の責任者となります。各委員会との定例連絡会を設け、計画が着実に実行される体制を築きます」のように、組織運営の要としての役割を担う姿勢を示す。 - 【傾聴力】生徒と執行部の橋渡し役をアピール:
「会長には直接言いにくいような、日々のささいな意見や不満も決して見過ごしません。私が各クラスのHRを定期的に訪問する『出張目安箱』となり、皆さんの小さな声を拾い上げ、生徒会執行部に確実に届けます」のように、生徒と生徒会の距離を縮める潤滑油としての役割を約束する。
会長が学校全体のリーダーとして、いわば「攻め」の姿勢で大きな方向性を示すのに対し、副会長は組織の内部を固め、計画を着実に実行に移す「守り」と「実務」のリーダーとしての役割が強く期待されます。演説で派手なビジョンを語るよりも、堅実さ、調整能力、そして何よりも会長を支えるという献身的な姿勢をアピールすることが、有権者の「この人になら安心して任せられる」という信頼感に繋がるでしょう。
言ってしまえば、「私が会長を支え、組織を動かし、皆さんの意見を具体的な形にします」という力強いメッセージこそが、副会長候補として最も説得力のある、そして当選に不可欠な公約となるのです。
生徒会の公約で斬新なアイデア発想法

- 聞き手の心を掴むインパクトの出し方
- 他と差がつく面白い公約の具体例
- 現代的な視点がおすすめの理由
- あなたの学校ならではのアイデアの見つけ方
- 生徒会の公約のあなただけの斬新なアイデアまとめ
聞き手の心を掴むインパクトの出し方
体育館に集まった全校生徒の前で、多くの候補者が次々と演説を行う。そんな状況で、自分の公約を聞き手の記憶に強く刻み込むためには、聴衆の心を一瞬で掴む「インパクト」が不可欠です。
ただし、ここで言うインパクトとは、単に大声で叫んだり、奇抜なパフォーマンスをしたりすることではありません。公約の内容そのものが持つ力で、聞き手の「おっ、それは面白そうだ!」「この人の話をもっと聞きたい!」という知的な興味を引き出す、洗練された工夫を指します。
演説に効果的なインパクトを生む方法は、主に2つあります。
1. 「意外なもの」を組み合わせる(アソシエーション法)
誰もが知っている定番の活動に、一見すると無関係に思える意外な要素を掛け合わせてみましょう。この「A × B」の発想は、新しい価値を生み出すための基本的なテクニックです。
組み合わせによるインパクト創出の例
- 「校内美化活動」×「ゲーム性・競争」
→ 「クラス対抗『クリーン・オリンピック』を開催!ゴミ拾いや教室の整頓状況をポイント化し、学期ごとにチャンピオンクラスを表彰します!」 - 「図書室の利用促進」×「対決・プレゼン」
→ 「知的書評合戦『ビブリオバトル』の校内大会を定期開催!優勝者が紹介した本は、図書室の特設コーナーに展示します!」 - 「挨拶運動」×「テクノロジー」
→ 「校門に挨拶カウンターを設置し、毎日の挨拶人数をデジタルサイネージで表示。目標達成日には、昼休みの放送で記念リクエスト曲を流します!」
このように、既存の概念を組み合わせることで、聞き慣れた活動が新鮮で魅力的な企画へと生まれ変わります。
2. 「具体的な数字」を盛り込む(数値化による信頼性向上)
抽象的な目標を語るよりも、具体的な数字を提示する方が、公約の信頼性とインパクトは劇的に向上します。数字は客観的な事実であり、立候補者の本気度と計画性を示す強力な武器となります。
- 悪い例:「図書室の本を増やします」
- 良い例:「全校生徒からリクエストを募り、毎月ベスト10に選ばれた本を必ず購入し、年間で合計120冊の新しい本を図書室に入れます」
- 悪い例:「節電を呼びかけます」
- 良い例:「各クラスの電気使用量をグラフにして毎月廊下に掲示し、前年度同月比で5%の削減を全校で目指すキャンペーンを実施します」
具体的な数字を入れることで、聞き手は実現後のイメージを鮮明に描くことができ、「この人は口先だけでなく、本気で計画しているな」と納得しやすくなるのです。

演説の冒頭で「皆さん、質問です。この学校の〇〇について、△△だと感じている人はいますか?」といった問いかけから始めるのも、聞き手の注意を引きつける効果的なテクニックです。当事者意識を持たせることで、その後の公約が自分事として聞こえるようになりますよ。
他と差がつく面白い公約の具体例
「斬新な公約」を考える上で、他の候補者と明確な差をつけ、生徒たちの日常にポジティブな変化をもたらす「面白い公約」の視点は欠かせません。
ここでは、単なる思いつきではない、実現可能性も考慮した面白い公約の具体例をいくつか紹介します。これらのアイデアは、そのまま使うのではなく、あなたの学校の文化や雰囲気に合わせてアレンジするための「発想の種」として活用してください。
学校生活に新たな風を吹き込む面白い公約例
- 先生の意外な一面発見プロジェクト「シークレット・ティーチャー」
先生方に自身の専門教科以外の趣味や特技を披露してもらう、昼休み限定のミニ講座コンテストを実施。例えば、「数学の先生による本格マジック講座」や「英語の先生によるK-POPダンス教室」など。生徒による投票で年間グランプリを決定し、先生と生徒の新たなコミュニケーションのきっかけを作ります。 - お昼の校内ラジオ局「(学校名)ステーション」の開設
既存の放送設備を活用し、生徒が企画・運営する本格的なラジオ番組を昼休みに放送。リクエスト曲や学校の面白いニュース、部活動の告知だけでなく、生徒や先生への突撃インタビューコーナーなどを設け、学校全体の一体感を醸成します。 - クラスの団結力を高める「クラスマスコット総選挙」
各クラスでオリジナルのマスコットキャラクターをデザインしてもらい、全校生徒によるオンライン投票で年間グランプリを決定。最優秀マスコットは、1年間、生徒会だよりや学校行事のポスターに公式キャラクターとして登場する権利を与えます。 - 日常に非日常をプラスする「季節のプチイベント」の定例化
七夕には全校生徒の願い事を書いた短冊を飾る巨大な笹を設置し、ハロウィンには授業に支障のない範囲での「ワンポイント仮装登校デー」を企画。冬には中庭でイルミネーションを点灯するなど、コストをかけずに季節感を楽しめるイベントを生徒会主導で開催します。 - 異学年交流を促進する「縦割り班対抗謎解きゲーム」
1年生から3年生までの混合チームで、校内に隠された謎を解き明かす大規模な謎解きイベントを企画。文化祭のプレイベントなどに位置づけ、普段関わることの少ない先輩・後輩が協力し合う機会を創出します。
これらの面白い公約を成功させるための共通のポイントは、「生徒が受け身ではなく、企画・参加する主役になれること」そして「日常の風景に、ちょっとしたワクワクや会話のきっかけを加えること」です。
大規模な予算や特別な設備がなくても、アイデアと工夫次第で学校生活を豊かにすることは十分に可能です。
面白い企画を掲げる際の最重要注意点
面白い企画や前例のないイベントほど、「誰が、いつ、どこで準備・運営するのか」「安全管理は万全か」「後片付けや原状復帰はどうするのか」といった、極めて現実的な計画が不可欠です。
アイデアの面白さだけで突っ走るのではなく、協力してくれる友人や、何よりも学校のルールを熟知している先生方と事前にしっかりと協議し、実現可能な計画を綿密に立てた上で、自信を持って公約として発表しましょう。
現代的な視点がおすすめの理由

生徒会の公約を考える際に、SDGs(持続可能な開発目標)やデジタル化(DX)、ウェルビーイングといった現代社会の重要なテーマを取り入れることは、極めて戦略的であり、強くおすすめします。これらのテーマは、単に「新しくて斬新に見える」という表面的な理由だけでなく、公約の価値と説得力を飛躍的に高める、多くの本質的なメリットを含んでいるからです。
第一に、これらの課題は学校内だけでなく、社会全体の関心事です。そのため、公約に盛り込むことで、立候補者自身が広い視野を持ち、社会問題に対する高い意識を持っていることを効果的にアピールできます。これは、同世代の生徒だけでなく、学校運営を担う先生方からの評価や協力を得る上でも、非常に有利に働くでしょう。
さらに、これらの取り組みは学校全体のブランドイメージ向上にも直接的に繋がります。例えば、生徒会が主体となって環境問題や地域貢献に積極的に取り組む姿勢は、学校のウェブサイトやパンフレットを通じて外部にも発信され、学校の魅力を高める一因となる可能性も秘めています。
現代的な視点を取り入れた先進的な公約の具体例
| テーマ | 公約の具体例 | アピールポイント・期待される効果 |
|---|---|---|
| SDGs(環境・社会貢献) |
|
環境配慮、社会貢献への意識、地域との連携、生徒のボランティア精神の育成。 |
| デジタル化(DX) |
|
効率化、ペーパーレスによる環境貢献、情報伝達の迅速化、新たな思い出の保存形式の提供。 |
| ウェルビーイング(心身の健康) |
|
生徒のメンタルヘルスケア、健康増進、悩みを抱える生徒へのサポート体制強化。 |
これらの公約は、目先の学校生活をより良くするだけでなく、生徒一人ひとりがこれからの社会で求められるスキルや価値観を、学校生活の中で自然に身につける貴重なきっかけにもなります。ぜひ、あなたの公約にも、未来を見据えた現代的な視点を取り入れてみてください。
あなたの学校ならではのアイデアの見つけ方
これまで様々な公約のカテゴリーや具体例を紹介してきましたが、最終的に最も有権者の心を動かし、強い説得力を持つのは、他のどの学校の真似でもない、「私たちの学校のためだけ」に考え抜かれたオリジナルの公約です。自分たちの学校に特化した、オーダーメイドのアイデアを見つけ出すための実践的な方法を2つのアプローチから紹介します。
そのアプローチとは、「マイナスをゼロに近づける『課題発見』アプローチ」と「プラスをさらに大きくする『強み活用』アプローチ」です。
1. 学校の「課題」から見つける(マイナス → ゼロ)
まず、自分たちの学校が潜在的に抱えている課題や、多くの生徒が日常的に感じている「不満」「不便」「不快」といったマイナスの感情に徹底的に目を向けてみましょう。解決策のヒントは、普段の友人との何気ない会話の中に無数に隠されています。
「3階の西棟にあるトイレ、昼休みはいつも長蛇の列で、授業に遅れそうになるんだよね…」
「わかる!しかも、和式が多いし…。」
この会話から、例えば以下のような公約が生まれます。
→ 公約案:「トイレの混雑緩和と環境改善プロジェクト」として、比較的空いているトイレの場所をマップで掲示。さらに、全校アンケートを実施し、トイレの洋式化を学校側に正式に要望します。
その他にも、
- 「雨の日に駐輪場がぬかるんで靴が泥だらけになる」→ 公約案:「駐輪場の環境整備」として、すのこや砂利を敷くボランティアを募る。
- 「急に必要になったコンパスや定規を忘れると詰む」→ 公約案:「お助け文房具貸し出しコーナー」を生徒会室前に設置する。
このように、日常のささいな「困った」を解決する公約は、多くの生徒から「そうそう、それやって欲しかった!」という非常に強い共感と支持を得ることができるのです。
2. 学校の「強み」から見つける(プラス → もっとプラス)
次に、自分たちの学校が地域や他校に対して誇れる「強み」「伝統」「特色」を最大限に活かし、さらに発展させる方法を考えます。
- スポーツが非常に盛んな学校なら → 公約案:「部活動の垣根を越えたオールスター感謝祭」を企画。各部のエース選手による混合チームでのエキシビションマッチや、引退した3年生によるドリームマッチを開催し、全校生徒でアスリートを称える機会を作る。
- 音楽や芸術活動に力を入れている学校なら → 公約案:「ランチタイム・プロムナードコンサート」を定例化。昼休みの中庭やピロティで、吹奏楽部や合唱部、軽音楽部などがミニコンサートを開催し、日常に音楽が溢れる空間を創出する。美術部の作品を校内に展示する「スクール・アートギャラリー」を常設する。
- 地域との交流が活発な伝統がある学校なら → 公約案:「地域連携のDX化」として、地元商店街のデジタルマップを作成したり、地域のお祭りの様子を生徒会がYouTubeでライブ配信するなど、デジタル技術を活用して地域貢献の幅を広げる。
学校の強みをさらに伸ばし、生徒のプライドを高める公約は、学校への愛着や一体感を醸成することに繋がり、先生方からの強力なバックアップも得やすいでしょう。

最もパワフルなヒントの源泉は、言うまでもなく生徒全員の生の声です!まずは小さな一歩として、自分のクラスで「学校の好きなところ・改善してほしいところ」をテーマに無記名アンケートを取ってみることから始めてみてはいかがでしょうか?予想もしなかった貴重な意見が集まるはずです!
生徒会の公約のあなただけの斬新なアイデアまとめ
この記事では、生徒会選挙で他の候補者と明確な差をつけ、当選を勝ち取るための斬新な公約の作り方について、基本的な考え方から具体的なアイデア発想法までを網羅的に解説しました。
最後に、あなただけの最高の公約を完成させるための、最も重要なエッセンスをリスト形式でまとめます。
- 斬新な公約とは、突飛なアイデアではなく、既存のアイデアへの「新しい視点」や「意外な組み合わせ」から生まれる
- どんなに魅力的でも、実現可能性がなければ信頼を失うだけ。常に現実的な視点を忘れない
- 「明るい学校にします」のような抽象的な言葉はNG。具体的な行動計画をセットで示すことが絶対条件
- まずは過去の定番公約を徹底的にリサーチし、それを自分なりにアレンジ・進化させるための土台として活用する
- 中学生には「身近な楽しさ」、高校生には「自主性の尊重や将来への繋がり」など、有権者の発達段階に合わせたアプローチが有効
- 副会長候補は、会長を支える「実務能力」と「調整力」を具体的にアピールすることが当選への鍵
- 演説でのインパクトは、「意外な組み合わせ」や「具体的な数字」を盛り込むことで劇的に高まる
- 面白い公約のキーワードは「生徒が主役になれること」と「日常にちょっとしたワクワク感を加えること」
- SDGsやデジタル化といった現代的な視点は、先生方からの支持を得やすく、社会性をアピールできる強力な武器になる
- 最高の公約のヒントは、あなたの学校が抱える「課題(マイナス)」と、誇るべき「強み(プラス)」の中に必ず隠れている
- 友人との会話、アンケート、先生へのヒアリングなど、地道な情報収集こそがオリジナリティの源泉
- 公約には「〇〇プロジェクト」のようなキャッチーなネーミングを付けると、有権者の記憶に残りやすくなる
- 前例のない企画ほど、安全管理や運営計画を綿密に立て、先生方との事前相談を徹底することが信頼に繋がる
- 小手先のテクニック以上に、学校を良くしたいというあなたの熱意と、公約を必ず実行するという誠実な姿勢が、最終的に多くの人の心を動かす最大の力になる
この記事で紹介した数々のヒントやアイデアを参考に、あなたの学校の現状にぴったりと合った、そして何よりもあなた自身の言葉で語れる、最高の公約を創り上げてください。
あなたの勇気ある挑戦を、心から応援しています!



