新学期が始まると、クラスの雰囲気を決める大事な行事が待っていますね。
そう、小学校5年生の学級目標を決める時間です。
でも、いざ決めようとすると、どんな言葉がいいのか迷ってしまう先生や保護者の方も多いんじゃないかなと思います。
高学年への入り口である5年生にふさわしい、四字熟語や二字熟語を使ったかっこいいスローガンから、英語やあいうえお作文を取り入れたユニークで面白いものまで、幅広いアイデアを知りたいですよね。
また、話し合いの進め方や、意見がまとまらない時の対処法、そしてせっかく決めた目標の形骸化を防ぐためのキャリア・パスポートの活用や、教室に飾る掲示物の工夫など、気になることがたくさんあるかもしれません。
この記事では、そんなお悩みに寄り添いながら、明日からの学級活動ですぐに使える具体的なアイデアや進め方について、私なりの視点でわかりやすくまとめてみました。
少しでもクラスづくりのヒントになれば嬉しいです。
- 5年生にぴったりな学級目標の具体的なアイデア
- 児童の主体性を引き出す話し合いの進め方
- 意見がまとまらない時の効果的な対処法
- 決めた目標を日常に活かす振り返りのコツ
小学校5年生の学級目標の例と種類

ここからは、小学校5年生のクラスにぴったりな学級目標の具体的なアイデアをいくつか紹介していきますね。
クラスのカラーや子どもたちの実態に合わせて、これだと思えるぴったりの言葉を探すヒントにしてみてください。
言葉の選び方ひとつで、教室の空気はガラリと変わるものですよ。
四字熟語を用いたかっこいい目標
四字熟語を使った目標は、言葉の響きがとにかくかっこよくて、高学年としての自覚を持たせるのにぴったりですね。
5年生は、ギャングエイジ(仲間意識が強まる時期)と呼ばれる仲間意識の強い時期を抜け、少しずつ客観的に物事を見られるようになる発達段階です。
だからこそ、ちょっと大人びた、背伸びをしたような言葉を選ぶと、子どもたちの「高学年になったぞ!」というモチベーションをグッと引き上げることができるかなと思います。

例えば、「一致団結」や「異体同心」といった言葉は、行事や係活動などでみんなで力を合わせたいクラスにとてもおすすめです。
特に「異体同心」は、「体は別々でも、心は一つ」という意味があり、一人ひとりの個性や違いを認め合いながらも、クラスという集団として同じ方向を向いていこうという深いメッセージを込めることができますね。
また、「不撓不屈(ふとうふくつ)」や「克己(こっき)」なら、困難に負けずに挑戦する強い心を持ったクラスを目指すのに良いかもしれません。
5年生になると算数の割合など学習内容もグッと難しくなりますし、自然教室などの宿泊学習で親元を離れて困難を乗り越える経験も待っています。
そんな時に、こうした力強い言葉が心の支えになってくれます。
四字熟語選びのポイント
言葉の意味が少し難しく、抽象的になりがちなので、選んだ後に「この言葉は私たちのクラスの日常で、具体的にどういう行動を意味するのか」を話し合うと、より効果的ですね。
例えば「一致団結」なら、「困っている友達がいたら全員で助ける」といった行動目標に落とし込むことが大切です。
四字熟語をメインのスローガンとして黒板の上に大きく掲げ、その横に具体的な行動ルールを「学級の約束3カ条」として添えておくという二段構えのスタイルが、現場でもよく使われていておすすめですよ。
ちなみに、四字熟語の候補をもう少し広げて検討したい場合は、学級目標に使える四字熟語の選び方と成功実例も参考になります。
二字熟語や英語を取り入れた目標
二字熟語や英語を使うのも、スタイリッシュで覚えやすく、子どもたちの記憶に定着しやすいのでとても人気があります。
四字熟語よりもさらにシンプルに、クラスの目指す方向性をズバッと表現できるのが強みですね。
二字熟語なら、「飛躍」や「挑戦」、「協力」、「笑顔」といったシンプルで力強い言葉が定番です。
5年生は、低・中学年の頃のような「先生に言われたからやる」という受け身の姿勢から、自分たちで学校を引っ張っていく立場へと飛躍する大切な時期です。
だからこそ、短い言葉に込められたメッセージが、迷った時の道しるべになってくれます。
また、英語を取り入れて「One for all, All for one(一人はみんなのために、みんなは一人のために)」や「Never give up(絶対に諦めない)」といったスローガンにすると、少し大人びた雰囲気を楽しみたい5年生の心にストレートに響くかもしれません。
最近は小学校でも外国語(英語)の授業が本格化しているので、子どもたちにとっても英語は身近な存在になっていますよね。
「Step by step(一歩ずつ着実に)」のように、焦らずみんなで成長していこうという温かいメッセージも素敵かなと思います。
英語を使う時のちょっとした工夫
英語の響きのかっこよさだけで決めてしまうと、一部の子どもには意味が伝わりきらないことがあります。
英語を目標にする場合は、その言葉の下に日本語の訳や、「私たちのクラスではこういう意味だよ」というオリジナルの解釈を書き添えておくと、全員が同じ温度感で目標に向かっていけるはずです。
さらに、クラスで流行っている漫画やアニメのセリフ(例えば、人気作品の「仲間を絶対に見捨てない」というような精神)をヒントにして、みんなが共感できるスローガンにするというのも、子どもたちのモチベーションが爆発的に上がる手法の一つですね。
あいうえお作文で作る面白い目標
毎日の生活の中で意識しやすいように、あいうえお作文形式で目標を作るのもとても面白いアイデアです。
四字熟語や英語はかっこいい反面、「じゃあ今、具体的に何をすればいいの?」が分かりにくくなることがありますが、あいうえお作文なら、毎日の行動レベルに落とし込むのがとっても簡単なんです。
例えば「ケーキたべよう」という言葉を頭文字にして、以下のように目標を立てるのも楽しいですよ。

| 文字 | 目標の具体例 |
|---|---|
| け | 計画的に行動する |
| ー | 協力し合う |
| き | 気持ちよく挨拶する |
| た | 楽しく過ごす |
| べ | 勉強を集中して取り組む |
| よう | 陽気に生活する |
ユーモアがあるので親しみやすく、日々の学級経営にもすんなり溶け込みます。
「今日は『け』ができていたかな?」「今の〇〇さんの行動はまさに『き』だったね!」と、帰りの会での振り返りや、先生からの褒め言葉として日常的に使いやすいのも大きな魅力かなと思います。
他にも、「スマイル」を頭文字にして、「ス:進んで行動、マ:毎日挨拶、イ:いつも笑顔、ル:ルールを守る」といった具合に、クラスの実態に合わせてカスタマイズするのも良いですね。
子どもたち自身に「どの言葉を頭文字にするか」から考えてもらうと、大人が思いつかないようなユニークで愛着の湧くあいうえお作文が飛び出してきて、話し合いそのものが大盛り上がりすること間違いなしです。
単なる言葉遊びで終わらせず、各文に今のクラスに必要な具体的な行動をしっかり入れ込むのが成功の秘訣ですよ。
作り方の手順や、言葉選びのコツをもう少し具体的に見たい場合は、あいうえお作文の学級目標の作り方と例文も参考になります。
帰属意識を高める掲示物のデザイン
目標の言葉が決まったら、教室のどこに、どうやって飾るかという「掲示物のデザイン」にも一工夫したいところですね。
せっかく素晴らしい言葉を決めても、教室の後ろの高い壁や視界に入らない場所に貼ってしまっては、あっという間に忘れ去られてしまいます。
掲示物を作るときは、見栄えを気にして大人が綺麗にパソコンで作ってプリントアウトしてしまうよりも、子どもたち全員が少しずつ作業に関わる方が、圧倒的に愛着が湧きます。

例えば、メインの文字のレタリングを班ごとに分担して色塗りしたり、画用紙の周りに子どもたち全員の手形を押して装飾したりするのがおすすめです。
また、桜の木のような大きなデザインにして、一人ひとりが「自分の個人目標」を書いた花びら型のカードを貼って一つの大きな木を完成させる、といったアート的な要素を取り入れるのも素敵ですね。
パズルピース型の画用紙に自分の名前を書いて、それを組み合わせて学級目標の文字を作るというアイデアも人気があります。
掲示物の目的は綺麗さではありません
全員が何らかの形で作成に参加することで、「自分もこのクラスの大切な一員なんだ」という帰属意識(居場所があるという感覚)を自然と高めることができます。
少し文字が曲がっていたり、絵の具がはみ出したりしていても、それが自分たちで作った証としてクラスの宝物になりますよ。
貼る場所は、毎日必ず全員の目に入る「黒板の上」などの教室の前面がベストです。
先生が授業中や指導中に、「今の行動はクラスの目標に合っているかな?」と物理的に指を差して振り返ることができる環境を作っておくことが、形骸化を防ぐ第一歩になります。
高学年の役割を意識した言葉選び
5年生という学年は、小学校生活において非常に特別な立ち位置にあります。
委員会活動が本格的に始まり、クラブ活動でも中心的な役割を担い始め、いよいよ「学校全体を支える役割」を少しずつ担っていく時期ですね。
低学年の子たちからは「憧れのお兄さん、お姉さん」として見られるようになります。
そのため、学級目標の言葉選びにおいても、ただ「クラスの中で仲良くする」という内向きなものだけでなく、「下級生のお手本になる」「自分たちで考えて行動し、学校に貢献する」といった、少し背伸びをした外向きの言葉選びも大切になってきます。
この「期待されている」という感覚が、5年生の子どもたちの自立心を大きく育てるからです。
注意したい表現の落とし穴:否定語のループ
子どもたちにルールを考えさせると、どうしても「廊下を走らない」「人の嫌がることを言わない」「授業中におしゃべりしない」といった、禁止事項(否定的な言葉)ばかりが並びがちです。
しかし、これでは教室の空気が萎縮してしまいます。

否定的な言葉が出たときは、先生がうまくファシリテーションに入って、「〜しない」という言葉を、「〜する」という肯定的な行動目標に言い換えるよう促してあげてください。
例えば、「廊下を走らない」なら「右側を静かに歩く」へ。
「人の嫌がることを言わない」なら「相手のいいところを見つけて伝える」へ。
このように、望ましい行動を肯定的な言葉で定義する方が、子どもたちは前向きに取り組めますし、先生も「目標通りにできているね!」と褒めやすくなります。
この肯定への変換作業こそが、5年生の目標設定における大人の重要なサポートだと言えるかもしれません。
小学校5年生の学級目標の例と運用
どれほど素晴らしい学級目標ができても、それが日常で活かされなければ、ただの壁の飾りになってしまいもったいないですよね。
ここでは、子どもたちが主体的に目標を決める過程や、決まった目標を一年間を通じて上手に運用し、クラスの力に変えていくための具体的な方法について考えてみたいと思います。
主体性を引き出す話し合いの進め方
学級目標を決める話し合い(学級活動)では、先生が答えを押し付けるのではなく、子どもたち自身の生の言葉を引き出すことが何より大切ですね。
「自分たちで決めたルールだからこそ、守る責任がある」という自律の心を育てる絶好のチャンスだからです。
とはいえ、いきなり「さあ、今年の目標を決めよう!意見のある人?」と全体で話し合いを始めてしまうと、声の大きい子や、一部の活発な子の意見ばかりが目立ってしまい、おとなしい子が参加できなくなってしまうことがあります。
これを防ぐためには、話し合いのステップを踏むことが重要です。

まずは、一人ひとりに「どんなクラスにしたいか」「そのために自分ががんばりたいこと」をワークシートに書き出してもらう、個人思考の時間を取りましょう。
自分の頭の中を整理する静かな時間を担保することで、内向的な子も自分の意見を持ちやすくなります。
次に、3〜4人の小グループを作り、そこで各自の意見を発表し合います。
少人数なら発言のハードルがグッと下がりますよね。
そこでグループとしての「キーワード」をいくつか絞り込み、最後にクラス全体に共有していくという流れを踏むと、驚くほどみんなの思いを丁寧に拾い上げることができます。
先生はあくまで司会進行のサポート役に徹し、「どうしてその言葉がいいと思ったの?」と理由を深掘りする問いかけをしてあげると、子どもたちの思いがより具体的になり、クラス全体の絆が深まる良い時間になるかなと思います。
シンキングツールを活用した合意形成
話し合いの際には、最近の教育現場で広く導入されているタブレット端末と、デジタルな「シンキングツール」を活用するのも非常に効果的ですね。
5年生ならローマ字入力やアプリの操作にも慣れてきているので、こうしたICTツールをフル活用するチャンスです。
シンキングツールとは、頭の中にある情報やアイデアを視覚的に整理するための枠組みのことです。
例えば、みんなの意見をデジタル上で色とりどりの付箋として書き出し、画面上の大きなホワイトボードに貼り付けていきます。
そこから「勉強に関すること」「人間関係に関すること」「行事に関すること」など、似た意見をグループ化(分類)していく作業をクラス全員の画面で共有しながら進めます。
この方法の素晴らしいところは、誰が言った意見かという「属人化」を避けて、フラットに言葉そのものの価値を評価できる点にあります。
また、言葉が視覚的に整理されていく過程を見ることで、子どもたち自身も「自分たちのクラスは『優しさ』に関する意見が一番多いな」と直感的に気づくことができます。
アナログの良さも忘れずに
もちろん、タブレットがなくても、模造紙と本物の付箋を使ったアナログな手法でも全く同じ効果が得られます。
手を動かして付箋を貼り替える作業は、それ自体が協力するゲームのようで、子どもたちも楽しみながら合意形成に向かいやすいのかなと思います。
ツールは何であれ、みんなの意見が一つにまとまっていくプロセスを可視化することが、最終的な目標への納得感を生む最大の秘訣ですね。
意見がまとまらない時のトラブル対処
もちろん、40人近くいる子どもたちの意見を一つにまとめるのですから、話し合いがいつもスムーズにいくとは限りません。
「かっこいい英語の目標がいい!」というグループと、「身近なあいうえお作文がいい!」というグループで意見が真っ二つに割れて対立してしまうこともあるでしょう。
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そんな時に一番やってはいけないのが、時間がないからといって「じゃあ、多数決で決めます!」と無理やり押し切ってしまうことです。
多数決は一見公平に見えますが、選ばれなかった少数派の子どもたちに「自分の意見は否定された」というしこりや寂しい思いを残してしまい、その後のクラス運営に悪影響を及ぼすリスクがあります。
意見が対立した時は、「今日はここまで真剣に意見をぶつけ合えたことが素晴らしいね」と、話し合いのプロセス自体を高く評価し、一度立ち止まって次回に持ち越すのも一つの立派な手です。
クールダウンの時間を持つことで、子どもたち自身が譲り合いのポイントに気づくことも多いからです。
また、対立する両方の意見の「奥にある共通の願い」を先生が見つけ出し、「A班の『挑戦』という言葉の良さと、B班の『笑顔』という良さを組み合わせた、こんな折衷案はどうかな?」と大人がサポート舟を出してあげるのも、スムーズな解決の糸口になります。
形骸化を防ぐキャリア・パスポート
せっかく時間をかけて素敵な目標を決めても、1ヶ月後には誰も気にしなくなってしまい、単なる教室の壁の飾りと化してしまう……。
これがいわゆる目標の形骸化という、多くの先生が悩む最大の壁です。
この形骸化を防ぎ、目標を「生きた羅針盤」として機能させ続けるためにおすすめなのが、文部科学省も推進している「キャリア・パスポート」や振り返りシートを活用した、定期的な自己評価の仕組みです。

例えば、学期の初めに「クラスの学級目標を達成するために、自分は今学期、具体的に何をがんばるか」という個人的な行動宣言をキャリア・パスポートに書き込みます。
クラスの大きな目標と、自分自身の小さな目標をリンクさせるわけですね。
そして、毎週末や月末、学期末などの節目に、「自分の目標に対してどれくらい努力できたか」を振り返る時間を必ず設けます。
(出典:文部科学省『「キャリア・パスポート」例示資料等について』)
この時、結果としての「できた・できない」だけを評価するのではなく、「目標に近づくために、自分はどのように工夫したか」「友達とどう協力したか」といったプロセス(過程)を大切にして振り返ることが重要です。
上手くいかなかったとしても、「次はこうしてみよう」という前向きな気づきが得られれば大成功です。
定期的に立ち止まり、自分自身の成長とクラス全体の成長を照らし合わせて実感することで、学級目標は一年間ずっと輝き続けるはずです。
小学校5年生の学級目標の例まとめ

いかがでしたでしょうか。今回は、小学校5年生の学級目標の例と、その決め方から、形骸化を防いで一年間しっかり運用していくためのコツについて、私なりの視点で詳しくお話ししてみました。
四字熟語や英語を使ったかっこいいものから、あいうえお作文のようなユニークなものまで、目標の言葉の形は本当にさまざまです。
でも、一番大切なのは、どんな言葉を選ぶかという結果以上に、その言葉をクラス全員で悩み、考え抜いて決めたというプロセスそのものにあるのだと思います。
5年生は、子どもから少しずつ大人へと階段を登り始める、心も体も大きく揺れ動く繊細な時期です。
だからこそ、自分たちで決めた目標が、迷った時の心の拠り所になり、友達とぶつかった時の仲直りの基準になってくれます。
先生や保護者の方は、そんな子どもたちの試行錯誤を、時に温かく見守り、時に的確なサポートで導いてあげてほしいなと思います。
クラスのカラーに合った素敵な目標を見つけて、子どもたちが毎日笑顔で登校し、そして少しずつ頼もしく成長していけるような、そんな温かくて強い学級づくりができたら最高に素敵ですね。
ぜひ、クラスのみんなでワクワクしながら楽しく話し合って、一生の思い出に残る最高の目標を作ってみてください。
皆さんのクラスの素晴らしいスタートを、心から応援しています!

