「生徒会の抱負の例文」と検索しているあなたは、今まさに立候補の演説や、当選後の就任挨拶を控えているタイミングかもしれませんね。生徒会活動への意欲、すごく素晴らしいと思います。
ただ、いざ「抱負」を考えようとすると、「具体的に何を書いていいか分からない」「例文をそのまま使っても大丈夫かな?」と悩んでしまうことも多いかなと思います。会長や副会長、書記、会計といった役職ごとの役割や、具体的な公約の書き方、演説でどう伝えたらいいか…考えることはたくさんありますよね。
この記事では、単なる例文の紹介だけじゃなく、あなたの「やりたいこと」が聞いている人にしっかり伝わる、印象に残る抱負の作り方を、役職やテーマ別に分かりやすく解説していきますね。
- 印象に残る抱負の「黄金の3要素」
- 【役職別】会長や書記などの例文と役割
- 【テーマ別】公約や行事を軸にした例文
- 演説と就任挨拶の違いとコツ
生徒会の抱負の例文【役職別】

ここでは、生徒会の中心となる役職ごとの役割と、それに合わせた抱負の例文を紹介しますね。自分の目指す役職が「何を期待されているのか」を理解することが、自分らしい抱負への一番の近道かなと思います。まずは基本をしっかり押さえましょう。
抱負の書き方と黄金の3要素
まず、どんな役職やテーマでも共通する、抱負の「書き方」の基本からお話ししますね。
生徒会の抱負って、実は「頑張ります!」っていう決意表明だけじゃなくて、全校生徒に対する「これを実現します」という「公約(Promise)」なんです。これがリーダーとしての最初の仕事、とも言えるかも。
実際、生徒会活動は、学校生活をより良くするために、生徒が主体的に行う活動です。文部科学省が定める学習指導要領においても、「特別活動」の中で、学校生活の充実と向上を目指す活動として位置づけられています。(出典:文部科学省「中学校学習指導要領(平成29年告示)第2章 第6節 特別活動」)
つまり、単なる「やる気」以上に、ビジョンを実現するための具体的な「手立て=公約」が求められているんですね。
じゃあ、どうすれば説得力のある抱負になるのか。私は、優れた抱負には「黄金の3要素」があると思っています。
印象に残る抱負の「黄金の3要素」
- Why(動機・共感): なぜ、そうしたいのか?(例:「活躍する先輩方に憧れて」「去年も副会長だったが、反省をふまえて」)
- What(理想・ビジョン): どんな学校にしたいのか?(例:「笑顔あふれる学校」「一人一人が輝ける学校」)
- How(具体的手段・公約): そのために、何をするのか?(例:「アンケートを実施し、意見を取り入れます」「意見箱を活用します」)
この3つがしっかり繋がっていることが大切です。「Why(動機)」で聴衆の共感を生んで、「What(ビジョン)」で未来への期待を持たせて、「How(公約)」でその実現可能性を示し、信頼を得る。この流れを意識するだけで、中身がぐっと濃くなりますよ。
この3要素をシンプルに当てはめるだけでも、基本的な型は作れます。
抱負作成の「穴埋めテンプレート」
「私は、〇〇(Why: 過去の経験や動機)から、〇〇(What: 理想の学校像)を実現したいです。そのために、〇〇(How: 具体的な行動)に取り組みます。よろしくお願いします。」
会長の抱負とビジョン
生徒会長は、学校全体の「顔」ですよね。大きなビジョンを示し、最終的な決定を行い、全校生徒を導いていく存在です。
だから、会長の抱負は、特定の部活動やクラスといった部分的な視点ではなく、「生徒一人ひとりが主役」とか「誰一人取り残されない学校」といった、全校生徒を包み込むような「包括的なビジョン」が特徴かなと思います。
ここでは、2つのパターンの例文を紹介しますね。
会長の抱負 例文1(ビジョン重視型)
「私は、生徒一人ひとりが『主役』になれる学校を作りたいです(What)。そのために、生徒全員が『やりたい』と声を上げ、行動に移せるよう、生徒会が全力でサポートする体制を作ります(How)。全校生徒で、〇〇学校をさらに良くしていきましょう。」
ポイント: 「主役になれる学校」という大きなビジョン(What)を提示し、そのための「サポート体制(How)」を約束する、王道の構成ですね。
会長の抱負 例文2(課題解決型)
「私の生徒会長としての抱負は、誰もが安心して過ごせる、誰一人取り残されない学校を目指すことです(What)。その第一歩として、全校生徒を対象とした学校生活に関するアンケートを実施し、これまで見えにくかった問題や意見を吸い上げ、改善に取り組みます(How)。」
ポイント: 「誰一人取り残されない」というビジョンと、「アンケートの実施」という具体的な行動(How)が明確に結びついていて、説得力がありますね。
副会長の抱負と実行力

副会長は、会長を支える「補佐役」であり、掲げられたビジョンを「実行」に移す「推進役」でもあります。このバランスがすごく大事ですね。
だから、「会長の〇〇というビジョンを支えます」という補佐の視点と、「昨年度は実現できなかった〇〇を、今年こそ実行します」といった、具体的な実行力をアピールするのが効果的だと思います。
副会長の抱負 例文1(実行力アピール型)
「私は、会長の掲げる『〇〇』というビジョンを支え、それを『実行』する副会長を目指します(What)。昨年度は実現できなかった〇〇の企画(Why/How)に、今年こそ反省を活かして取り組み、より良い学校づくりに貢献します。」
ポイント: 「反省を活かす」という動機(Why)と「実行(How)」が明確で、会長を支える具体的な姿がイメージしやすいですね。
副会長の抱負 例文2(提案型)
「私は、この学校の雰囲気をさらに良くするため、副会長として会長を補佐するだけでなく(What)、『〇〇』という新しい取り組みを提案・実行します(How)。生徒の皆さんの意見を形にするために全力で動きます。」
ポイント: 会長を支えつつも、自分自身も「新しい取り組み(How)」を提案するという、積極的な姿勢をアピールするパターンです。
書記の抱負と意見集約
「書記」というと、議事録をとる人っていうイメージが強いかもしれません。でも、最近の書記の役割はもっと広がっていると感じます。
単に「記録する」だけじゃなく、生徒の「声」と生徒会の「活動」をつなぐ、「広報・情報戦略官」みたいな役割ですね。
具体的には、以下のような役割が期待されていると思います。
- 集める: アンケートや意見箱で、生徒の声を集める。
- まとめる: 議事録や生徒会新聞で、活動を分かりやすくまとめる。
- 発信する: 集めた情報や生徒会の活動を、全校生徒に広く伝える。
- 活用する: 集めた意見を基に、行事の充実やルール改善を提案する。
この視点を入れると、抱負にぐっと深みが出ますよ。
書記の抱負 例文1(意見集約型)
「私は、生徒の皆さんの『声』を大切にする生徒会を作りたいです(What)。そのために、皆さんの意見を正確に記録し、生徒会新聞やアンケート活動を通じて、生徒会と生徒の皆さんの『橋渡し』役として貢献します(How)。」
書記の抱負 例文2(課題解決型)
「私は、全校生徒が『今日も学校に行くのが楽しみ』と感じられるような環境を作りたいです(What)。そのために、生徒の皆さんの意見を基に、行事の充実や校内ルールの改善を生徒会に提案し、実現に向けて積極的に活動します(How)。」
会計の抱負と予算管理
会計は、生徒会活動の「可能性」を予算の面から支える、とっても重要なポジションです。「お金を数える」といった地味な業務をイメージされがちですが、実はすごくクリエイティブな仕事だと私は思います。
大切なのは、「予算の適正な管理(How)」が、いかにして「全校生徒の利益=活気ある学校(What)」につながるかを説明することです。
「予算を増やす」ことより、「限られた予算をいかに公平に、透明性を持って活かすか」という視点が、会計の抱負では信頼につながります。
会計の抱負 例文(Why-What-How形式)
「私は、生徒会予算の『番人』として、全校生徒の学校生活を支えたいです(What)。(Why: 〇〇部での活動経験から)予算が公平に使われることの重要性を知っています。皆さんの生徒会費が、行事や部活動、新しい企画のために、公平かつ透明性を持って使われるよう、責任を持って予算を管理・運営します(How)。予算の面から、学校全体を活気あるものにしていきます。」
ポイント: 「番人」という言葉で責任感を、「公平かつ透明性」という言葉で具体的な管理方針(How)を示しているのが良いですね。
生徒会の抱負の例文【テーマ別】

「役職はまだ決まっていないけど、こんなことをやりたい!」という具体的なテーマや公約から抱負を考えたい人もいると思います。
ここでは、よくあるテーマ別の例文と、その伝え方のコツを見ていきましょう。
具体的な公約の作り方
公約は、抱負の「How(具体的手段)」の部分ですね。ここで他の候補者と差がつきます。大切なのは、抽象的な言葉で終わらせず、「誰が聞いても行動がイメージできるレベル」まで具体的にすることです。
テーマ1:「生徒の意見」を反映したい(意見箱・アンケート)
これは生徒会の公約として最も基本的ですが、だからこそ具体性が求められます。「聞きます」だけでは、公約とは言えないかもしれません。
NG例: 「皆さんの意見を聞きます。」「意見箱を設置します。」
(→ 聞いた後、どうするのかが不明確ですよね)
OK例: 「私は、皆さんの『声』が学校を動かすと信じています。そのために、目安箱の設置と、学期に一度のデジタルアンケートを実施します(How)。そして、寄せられた意見は生徒会で必ず討議し、その結果(採用されたか、なぜ採用されなかったか)を生徒会新聞などで全校生徒に『見える化』することを約束します(Howの具体化)。」
「聞いた後、どうするか(見える化)」まで具体的に言うのがポイントですね。
テーマ2:「学校行事」を盛り上げたい(行事の充実・企画)
「行事」に関する公約には、(A) 既存の行事を「充実」させるパターンと、(B) 「今までにない行事」を創設するパターンの2種類があります。
例文1(既存行事の充実)
「〇〇祭(文化祭など)を、全校生徒の記憶に残る最高の行事にします(What)。そのために、各クラスや部活動の企画をサポートする体制を強化し、生徒の『やりたい』が実現できる行事を目指します(How)。」
例文2(新規行事の創設)
「私は、学校生活に新しい『ワクワク』を作りたいです(What)。そのために、〇〇(例:eスポーツ大会、中庭ライブ、学年を超えた球技大会)のような、今までになかった新しい行事の企画を提案し、実現に向けて全力を尽くします(How)。」
テーマ3:「学校生活・ルール」を改善したい(授業改善・校則)
これは、生徒の関心も高い一方で、とてもデリケートなテーマです。伝え方を間違うと、先生方への「批判」と受け取られかねません。
抱負では「廃止」や「変更」といった対立的な言葉ではなく、「改善」(より良くする) や「見直し」といった、生徒と先生方が一緒になって話し合えるような協調的な言葉を選ぶのが賢明かなと思います。
例文(協調型)
「私は、生徒全員がより快適に、集中して学べる環境を作りたいです(What)。そのために、生徒と先生方が一緒になって校内のルールについて話し合う『意見交換会』の開催を提案します(How)。生徒の意見を集約し、時代に合った、より良い学校生活を目指します。」
テーマ4:「学校の雰囲気」を良くしたい(あいさつ運動など)
「あいさつ運動」は定番ですが、「やる気」だけで終わらせない工夫が必要です。「学校全体が明るくなるよう、あいさつが自然と飛び交う学校づくり」といった、具体的なビジョンに結びつけましょう。
例文(ビジョン具体化型)
「私の理想は、『笑顔あふれる学校』です(What)。その第一歩は『あいさつ』だと考えます。生徒会が率先してあいさつ運動を行うだけでなく、朝の校門で『おはよう』が自然と飛び交うような、明るい雰囲気づくりに力を入れていきます(How)。」
立候補時の演説のコツ
さて、抱負が固まったら、次は「演説」ですね。立候補の「演説」の目的は、ただ一つ、「説得」です。「私に投票すべき理由」をアピールする場ですね。
ここでは、先ほどお話しした「Why-What-How」を、熱意を込めて強く打ち出すことが重要です。
特に聴衆の心を掴みやすいのは、「なぜ、あなたが」やりたいのかという「Why(動機)」から始めることです。
「活躍する先輩に憧れて」「中学生の頃からの憧れだった」「去年も副会長として活動したが、反省がある」…こうした「個人的な動機」や「あなただけの物語」は、聴衆に強い共感を呼びます。立派な公約を並べるよりも、一つの「強い動機」を自分の言葉で語ることが、一番印象に残る戦略だと思いますよ。
演説の基本構成
- 動機(Why): なぜ立候補したのか?(あなただけの物語で共感を掴む)
- ビジョン(What): どんな学校にしたいのか?(未来への期待を抱かせる)
- 公約(How): そのために何をするのか?(具体的に、できれば1つに絞る)
- 結び: 投票の呼びかけ
最後は「この公約を実現するため、皆さんの力を私に貸してください。〇〇(自分の名前)に、清き一票をよろしくお願いします。」と、自信を持って、しっかり投票をお願いして締めくくりましょう。
当選後の就任挨拶の違い

演説と違って、当選後の「就任挨拶」の目的は「結束」です。「私に投票して」という段階は終わり、「全員で協力しよう」と呼びかける場になります。
だから、公約のアピールよりも「感謝」と「協力の呼びかけ」に重点を置くのが良いですね。演説との違いをまとめると、こんな感じです。
| 比較項目 | 立候補演説(選挙中) | 就任挨拶(当選後) |
|---|---|---|
| 目的 | 説得(私に投票して) | 結束(一緒にやろう) |
| 重点 | 公約(How)、熱意(Why) | 感謝、ビジョン(What)、協力依頼 |
| 伝える相手 | 全校生徒(投票者) | 全校生徒(協力者)、先生方 |
| 結びの言葉 | 「投票よろしくお願いします」 | 「よろしくお願いします」 |
この違いを意識して、当選後の挨拶は、以下のような構成で考えるとスムーズかなと思います。
就任挨拶の黄金構成
- 感謝: 投票してくれた生徒、支援してくれた仲間、選挙管理委員会などへの感謝。
- 抱負の再確認: 選挙で訴えたビジョン(What)を簡潔に再確認。「〇〇な学校を目指します」
- 結束の呼びかけ: 「生徒会役員だけではできません。生徒全員の協力が必要です。一緒に素晴らしい学校を作っていきましょう。」
- 結びの挨拶: 「1年間、よろしくお願いします。」
この流れで構成すると、誠実さとリーダーシップが伝わる、素晴らしい就任挨拶になると思います。
印象に残る言葉の秘訣
最後に、ライバルと差がつく、ちょっとした秘訣をお伝えしますね。これは、演説でも挨拶でも使えるテクニックです。
秘訣1:あなた自身の「Why」から始める
(演説のコツでも触れましたが)人を動かすのは「何を」するかよりも「なぜ」するです。「学校を良くしたい」という一般的な言葉だけでなく、「なぜ、あなたが良くしたいのか」という「あなただけの物語」を最初の一文で語ってみましょう。
秘訣2:抽象的な言葉を「翻訳」する
「活気ある学校」「楽しい学校」といった言葉は、便利ですけど、みんな使います。これでは印象に残りません。この抽象的な言葉を、具体的な情景が浮かぶ言葉に「翻訳(具体化)」してみましょう。
| 抽象的な言葉 | 翻訳(具体化)の例 |
|---|---|
| 活気のある学校 | 「あいさつが飛び交う」「部活動の練習に熱が入る」「行事で全員が笑っている」 |
| 楽しい学校 | 「行事が充実している」「学年問わず交流できる」「小さな『やりたい』が実現できる」 |
| 意見を反映する | 「アンケートを実施する」「意見箱を設置する」「集めた意見の結果を『見える化』する」 |
秘訣3:公約は「1つ」に絞る(あれもこれも言わない)
演説の時間は限られています。「授業改善」「行事充実」「あいさつ運動」と3つを羅列するより、例えば「『やる気UPチャレンジ』を行います!」 のように、キャッチフレーズになるような「たった一つの具体的な公約」に絞る方が、聴衆の記憶に強く残ります。
秘訣4:ブログ記事から学ぶ「等身大」の言葉遣い
完璧な言葉でなくてもいいんです。学校の公式ブログなどで、「まだ生徒会メンバーの中に普段あまり話せていない生徒もいるので、仲良くできたら良いなと楽しみにしています。」といった一文を見かけることがあります。こうした「一人の生徒」としての等身大の言葉が、読み手である生徒に強い親近感と信頼感を与えたりします。
少し背伸びをしつつも、自分の素直な気持ち(例:「皆さんと仲良くなりたい」「一緒に楽しみたい」)を自分の言葉で加えること。それが、最強の「印象付け」になるかなと思います。
生徒会の抱負の例文まとめ
ここまで、生徒会の抱負に関する例文や書き方のコツを、役職別・テーマ別に見てきました。
大切なのは、何度もお伝えしてきた通り、「Why-What-How」の3要素を意識すること。そして、この記事で紹介した「生徒会 抱負 例文」はあくまで「型」として参考にして、そこに「なぜ、あなたがやりたいのか」という「Why(動機)」を、あなた自身の言葉で込めることです。
全校生徒の前で演説するのは勇気がいることだと思います。でも、そうやって「学校を良くしたい」と考えて一歩を踏み出そうとしていること自体が、本当に素晴らしいことです。
そして、そうした「素晴らしい演説」と、それを「真剣に聴く態度」、その両方が揃って初めて、学校は「生徒が主役の学校」 へと変わっていくんだと思います。
この記事が、あなたの「声」を届けるための一助になれば、私もすごく嬉しいです。あなたの勇気ある立候補と、素晴らしい抱負を応援しています!
この記事で紹介している例文や構成は、あくまで一般的な例です。あなたの学校の状況や伝統、そして何より、あなた自身の「やりたいこと」に合わせて、最適な形にアレンジしてくださいね。

