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中学校で保健委員会の活動を面白い企画に!生徒が動くアイデア集

中学校で保健委員会の活動を面白い企画に!生徒が動くアイデア集 生徒会

中学校の保健委員会活動について、マンネリ化してしまったり、生徒がなかなか関心を持ってくれなかったりと悩んでいませんか。

石鹸の補充や換気チェックといった日常業務も大切ですが、それだけでは活動のやりがいを感じにくいですよね。

もっと生徒が楽しんで参加できるような企画やキャンペーンのネタがあれば、学校全体の雰囲気も明るくなるはずです。

今回は、実際にユニークな取り組みを行っている学校の事例を参考にしながら、明日から使える具体的なアイデアや年間計画のヒントを紹介します。

  • 生徒が自発的に参加したくなるスタンプラリーやゲームの具体例
  • 動画制作やスマホ防止ポスターなど現代的な活動アイデア
  • ストレス解消やアイスブレイクなど心に寄り添う企画のネタ
  • 先生も納得する教育的価値の高い年間活動計画の立て方

中学校の保健委員会の活動で面白い企画を作るポイント

中学校の保健委員会の活動で面白い企画を作るポイント

保健委員会の活動を「やらなきゃいけない義務」から「参加したくなるイベント」に変えるには、ちょっとした仕掛けが必要です。

ここでは、生徒の好奇心を刺激し、思わず体が動いてしまうような面白い企画のポイントを具体的に紹介していきますね。

生徒主体で動くことの楽しさを実感できるような、ワクワクする仕掛け作りのヒントをお届けします。

生徒を巻き込むキャンペーンのアイデア

ただ「健康に気をつけよう」「手洗いをしよう」とポスターを貼るだけでは、忙しい中学生の心にはなかなか響きません。多くの生徒にとって、健康管理は「大人に言われてやること」という受け身な意識になりがちだからです。そこで提案したいのが、「ゲーミフィケーション」を取り入れたキャンペーンです。つまり、活動にゲームの要素と達成感をプラスして、生徒が能動的に関わりたくなる仕組みを作るのです。

例えば、「健康スタンプラリー」は非常に効果的な手法です。愛知県や茨城県の中学校での実践事例では、校舎全体をフィールドに見立てて、生徒が楽しみながら参加できる仕組みを作っています。私が取材したある学校では、スタンプラリーの期間中、普段は静かな特別教室の周りに行列ができるほどの賑わいを見せたそうです。重要なのは、「勉強させられている」と感じさせないことです。「遊び感覚で参加していたら、いつの間にか健康知識が身についていた」という状態が理想的ですね。

成功するキャンペーンの秘訣

キャンペーンを成功させるためには、企画段階で以下の3つの要素をしっかりと設計しておくことが大切です。

  • 期間を限定する(特別感の演出): ダラダラと続けるのではなく、「保健週間」や「健康フェスティバル」など、特定の1週間程度に集中して行います。「今しかやっていない」という限定感が、生徒の参加意欲を刺激します。
  • 動線を設計する(運動量の確保): 普段行かない特別教室(音楽室や理科室など)の前や、体育館の入り口などにチェックポイントを分散配置します。これにより、スタンプを集めるために校内を歩き回ることになり、自然と休み時間の運動量が増える仕掛けです。
  • 達成感を作る(報酬の用意): すべてクリアした生徒には、手作りの「健康マスター認定証」や、図書室で使える「しおり」などをプレゼントします。お金をかけなくても、保健委員が手書きでメッセージを書いたカードなどは、意外と喜ばれるものです。

このように、「楽しそうだからやってみる」という入り口を作ることが、生徒を巻き込む第一歩になります。準備は少し大変かもしれませんが、全校生徒が楽しそうに参加している姿を見れば、保健委員たちのモチベーションも大きく向上するはずです。まずは小さな規模からでも良いので、ゲーム性のある企画を試してみてください。

盛り上がる健康クイズのネタとテーマ

クイズは定番中の定番ですが、その内容を工夫するだけで盛り上がり方が全然違ってきます。「風邪の予防には手洗いが大切である、○か×か?」といった当たり前すぎる問題や、教科書的な知識を問うだけの問題では、生徒は「またこれか」と感じてしまいます。生徒が求めているのは、休み時間の話題になるような、「へぇ〜!」と言いたくなるトリビア(雑学)形式の出題です。

生徒の興味を惹きつけるには、日常生活に密着したテーマや、常識だと思っていたことが実は違っていたという「意外性」を突くのがポイントです。実際に効果的だったクイズのネタをいくつか挙げてみますね。これらはそのまま使えるネタですので、ぜひ参考にしてください。

ジャンル クイズの例 狙いと解説のポイント
水分補給 1日に一般的に必要とされる水の量は?

(A:500ml / B:1.2L / C:3L)

正解はB(食事からの水分を除く)。ペットボトルに換算するとどれくらいかを示すことで、自分の生活習慣を振り返らせます。
睡眠 勉強効率が上がる昼寝の時間は?

(A:20分 / B:1時間 / C:寝ない)

正解はA。長すぎると深い眠りに入り逆効果になることを伝え、効率的な休息法を伝授します。
朝食 脳のエネルギーになる朝食は?

(A:フルーツのみ / B:ごはんと卵)

バランスの良いBが推奨。「炭水化物+タンパク質」が体温を上げ、脳を目覚めさせることを解説し、食育へつなげます。
目の健康 スマホを見た後、目を休めるのに良いのは?

(A:遠くを見る / B:目を強くつぶる)

正解はA。毛様体筋を緩める方法を具体的に教え、デジタルデバイス利用時のケアを啓発します。

こうしたクイズを展開する場所も重要です。廊下の掲示板だけでなく、トイレの個室(座った時に目の前になる扉の内側)に「週替わりクイズ」として掲示したり、給食の時間に放送委員と連携して「今日のヘルスクイズ」として読み上げたりするのも効果的です。江戸川区の中学校の事例のように、選択肢を工夫して「どっちだろう?」と生徒同士で議論が生まれるような出題を目指しましょう。

全校で楽しむスタンプラリーの導入

全校で楽しむスタンプラリーの導入

先ほど紹介したキャンペーンの中でも、特にスタンプラリー中学校生徒会の新しい取り組み例でも詳しく紹介されている企画)は保健委員の企画力と運営力が光る、活動のメインイベントになり得ます。成功のカギは、「知(クイズ)」と「動(身体活動)」を組み合わせることです。ただスタンプを押して回るだけでは単調になりがちですが、各チェックポイントで「ちょっとしたフィジカルチャレンジ」をしてもらうことで、イベントとしての面白さが格段にアップします。

熊本県高森中学校の実践などは非常にユニークで参考になります。彼らは、クイズに答えるだけでなく、実際に体を動かさないとスタンプがもらえない「アトラクション型」のポイントを設けました。具体的には以下のようなブースです。

盛り上がるフィジカルチャレンジの例

  • 豆つかみチャレンジ:内容:30秒以内に、箸を使って小豆や大豆を別の皿に何個移せるかを競います。効果:微細運動能力と集中力を高めます。ゲーム性が高く、「もう一回やりたい!」というリピーターが続出します。
  • 3(サン)スキップ:内容:体育館を大きく一周、スキップで回ります。効果:意外とハードな有酸素運動になります。「スキップなんて簡単」と思っている男子生徒が息を切らして戻ってくる姿は、周囲の笑いを誘い、場を和ませます。
  • 片足立ちバランス:内容:目を閉じた状態で、片足立ちを10秒〜20秒キープできるか挑戦します。効果:自分の平衡感覚や体幹の強さを確認できます。ふらついてしまう生徒が多く、悔しさから再挑戦を促しやすい種目です。

運営する保健委員は、ストップウォッチを持ってタイムを計測したり、「がんばれ!あと少し!」と応援したりと、まさにイベントスタッフとしての動きが求められます。この経験は、委員自身のリーダーシップやコミュニケーション能力を育てる絶好の機会にもなります。安全面には配慮しつつ(スキップで転ばないようになど)、全校生徒を巻き込んだ「健康のお祭り」を作り上げてください。

動画制作や劇によるユニークな発表

今の生徒たちはデジタルネイティブ世代であり、YouTubeやTikTokなどの動画コンテンツに日常的に触れています。そのため、紙のポスターよりも動画や実演(劇)の方が、圧倒的に情報をキャッチしてもらいやすい傾向にあります。GIGAスクール構想で配備されたタブレット端末を活用すれば、撮影から編集まで生徒たちの手だけで完結させることも可能です。

豊中市の中学校では、保健委員が自ら出演・編集した啓発動画を朝のホームルーム(HR)の時間に一斉放送しています。先生が前に立って説明するよりも、同じ制服を着た友達がYouTuber風に解説する動画の方が、生徒たちの食いつきは抜群です。動画制作ソフト(iMovieやCanvaなど)を使えば、テロップを入れたり効果音をつけたりと、本格的な編集も楽しめます。

動画や劇のおすすめテーマ構成

  • インフルエンザ予防「手洗い・咳エチケット」:ただ手を洗う映像ではなく、手に蛍光塗料を塗ってブラックライトで照らし、「洗い残し」を可視化する実験動画などは衝撃を与えます。また、咳をした時の飛沫がどれくらい飛ぶかを、霧吹きを使って大げさに表現するコント風の動画も面白いでしょう。
  • 免疫力アップ「戦え!免疫ヒーロー」:白血球やウイルスを擬人化したキャラクターが登場するショートドラマ。栄養(食事)や睡眠が、ヒーロー(免疫)のパワーアップアイテムになるというストーリー仕立てにすると、低学年にも分かりやすく伝わります。
  • 保健室ドラマ(文化祭での発表など):保健室を舞台にした青春コメディ演劇。ケガの手当てだけでなく、悩み相談に来る生徒、サボりに来る生徒、それを受け止める先生(役)などの人間模様を描きます。「保健室は心の休憩所」というメッセージを込めることで、保健室利用への偏見(スティグマ)を減らす効果も期待できます。

動画を作る際は、出演者の肖像権(本人の許可)に十分配慮し、BGMも著作権フリーのものを使用するなど、メディアリテラシーの実践の場としても活用しましょう。

スマホ防止ポスターコンクールの実施

現代の中学生にとって最大の健康リスクの一つが、スマートフォンやSNSへの過度な依存です。文部科学省の「学校保健統計調査」によると、中学生の裸眼視力1.0未満の割合は約6割に達しており、年々増加傾向にあります(出典:文部科学省『令和4年度学校保健統計調査』)。しかし、頭ごなしに「スマホ禁止!」と叫ぶだけでは、生徒たちは「うるさいなあ」と反発するだけで、行動変容にはつながりにくいものです。

そこで提案したいのが、大和市などで行われているような「ポスターコンクール」という手法です。保健委員会が主催となり、「歩きスマホ防止」や「ネット依存予防」などをテーマに、生徒からポスター作品を募集します。この活動の最大のメリットは、ポスターを描く生徒自身が、キャッチコピーや構図を考える過程で「なぜスマホの使いすぎが危険なのか」「どうすれば伝わるか」を深く思考することにあります。

コンクールの運営手順は以下の通りです。

  1. 募集: 夏休みなどの長期休暇の課題として、または美術の授業と連携して作品を募集します。
  2. 審査: 保健委員と先生方で審査を行い、「最優秀賞」「ユーモア賞」「インパクト賞」などを選出します。生徒投票を取り入れるとさらに盛り上がります。
  3. 掲示: 入賞作品を校内の目立つ場所(昇降口や階段の踊り場など)に掲示します。同世代が描いたポスターは、市販の啓発ポスターよりも共感を呼びやすく、生徒の目に留まりやすいです。

また、これと並行して「デジタル・デトックス」の啓発も行いましょう。「ノースマホ・デー」を設定し、スマホを使わなかった時間に何をしたか(読書、料理、散歩、家族との会話など)を報告し合うキャンペーンも有効です。「スマホがないと暇」ではなく、「スマホがない時間は豊かだ」という気付きを共有できれば大成功です。スマホの使い方やルール作りそのものを生徒会主体で進めたい場合は、生徒会の面白い取り組み事例(スマホルールや校則見直しのプロジェクト)もあわせてチェックしてみてください。

中学校で保健委員会の活動を面白いものに変える具体策

中学校で保健委員会の活動を面白いものに変える具体策

イベント的な面白さだけでなく、「心の健康」や「人間関係」といった深いテーマにも、面白く(興味深く)アプローチする方法があります。

ここでは、もう少し踏み込んだ具体的な活動内容を見ていきましょう。

特に、近年重要視されているメンタルヘルスやコミュニケーション能力の向上に焦点を当てた活動は、生徒たちの実生活に役立つスキルとして喜ばれます。

ストレス解消に役立つ活動テーマ

近年、中学生のメンタルヘルス不調は深刻な課題となっていますが、多くの生徒は「ストレスへの対処法(コーピング)」を具体的に教わる機会がありません。長崎県大村市の中学校で実践されている「勁草(けいそう)プロジェクト」のように、科学的根拠に基づいたストレスマネジメントを、保健委員会が主体となって生徒に伝えることは非常に意義があります。

「ストレスマネジメント」と聞くと難しそうですが、保健委員会主催のミニワークショップとして行うなら、以下のような活動がおすすめです。

ワーク名 内容 ここが面白い!
ストレス・サーモメーター 今の自分の「イライラ度」や「疲れ度」を0〜100度の温度計に見立てて数値化し、ワークシートに記入します。 「私、今90度かも!爆発寸前!」などと数値化することで、自分の状態を客観的に(メタ認知)捉えられるようになります。
リラックス呼吸法体験 「4秒吸って、6秒で吐く」といった具体的な呼吸法を、リラックスできる音楽と共に全員で実践します。 実際にやってみると、教室の空気がシーンと静まり返り、不思議な一体感と落ち着きが生まれます。
ABC理論ワーク 「出来事(A)」→「受け取り方(B)」→「感情(C)」という仕組みを学び、B(考え方)を変える練習をします。 「LINEの返信が遅い」という出来事に対し、「嫌われた」と考えるか「忙しいんだな」と考えるかで感情が変わることを実感できます。

これらの内容をまとめた「ストレス攻略ガイドブック」を保健委員会で手作りして配布したり、動画教材にして帰りの会(ショートホームルーム)の10分間で見てもらったりするのも効果的です。生徒からは「テスト前の緊張を和らげるのに役立った」といった感想が多く寄せられる活動です。

簡単にできるアイスブレイクのネタ

簡単にできるアイスブレイクのネタ

4月のクラス替え直後や、新しい委員会が発足した直後は、誰でも緊張していますし、周囲との壁を感じているものです。そんな時に場の空気を和ませ、心理的な距離を縮める「アイスブレイク」の進行役を保健委員が担ってみましょう。これは、メンタルヘルスにおける「心理的安全性(話しやすい雰囲気)」を高めるための重要な活動です。

教室で道具を使わずにでき、かつ感染症対策にも配慮した(大声を出さない、過度な接触を避ける)おすすめのゲームを紹介します。

テレパシーゲーム(非言語コミュニケーション)

ルール:

1. 隣の人とペアになり、向かい合って座ります。言葉は一切発してはいけません。

2. お互いに目を見つめ合い、心の準備をします。

3. 進行役(保健委員)の「せーの!」の合図に合わせて、片手で1本〜3本の指をパッと出します。

4. 出した指の本数が相手と同じなら成功!違ったら失敗です。これを3回繰り返します。

ポイント:

「偶然の一致」を共有することで、理屈抜きに親近感が湧きます。失敗しても「あ〜惜しい!」と笑顔になれます。最後に「3回とも成功したペアはいますか?」と全体に問いかけ、拍手を送ることでクラス全体の一体感も生まれます。

音をひとつに(ハンドクラップ・シンクロ)

ルール:

1. ペアで起立して向かい合います。まず、お互いの右手のひらを胸の高さで合わせ、位置を確認します。

2. 手を離して「気をつけ」の姿勢に戻り、お互いの目をしっかり見ます。

3. ここで全員が目を閉じます。視覚情報を遮断し、気配だけに集中します。

4. 進行役の「いち、にの、さん、はい!」のリズムに合わせて、目を開けずに先ほど確認した位置で手を叩き合わせます(ハイタッチ)。

ポイント:

目隠し状態で「パン!」と綺麗に音が鳴り、手のひらがぴったり合った時の爽快感は格別です。相手を信頼し、呼吸を合わせる感覚を養えます。

こうした活動は、5分〜10分程度で実施できます。保健だよりでルールを紹介し、担任の先生にお願いして学活の時間に取り入れてもらうのも良いでしょう。

お昼の放送を活用した広報の工夫

どれほど面白い活動を企画しても、生徒たちに知られていなければ意味がありません。そこで活用したいのが、全校生徒が教室にいて耳を傾けやすい「給食時間のお昼の放送」です。保健委員が単に連絡事項を読み上げるのではなく、「イベント主催者」や「DJ」になりきって実況中継を行うことで、活動への関心を高めることができます。

例えば、スタンプラリー期間中なら以下のようなアナウンスが効果的です。

放送原稿のイメージ(スタンプラリー実況編)

「こんにちは!保健委員会です。現在開催中の『秋の健康スタンプラリー』、皆さん楽しんでくれていますか?昨日の時点で、なんと全校生徒の半数以上がクリアしました!現在のクラス別参加率トップは…なんと3年B組です!ものすごい追い上げを見せています!1年生も負けていませんよ。まだ参加していない人は、ぜひ今日の昼休みに『豆つかみ』に挑戦しに来てください。意外とハマりますよ。以上、保健委員会からの実況中継でした!」

このように、「他のクラスはどうなっているか」「今どんな状況か」をリアルタイムで伝えることで、生徒の競争心や好奇心を刺激できます。また、前述の「健康クイズ」を放送で行う場合は、答え合わせの後に「詳しい解説は保健室前の掲示板を見てね!」と誘導することで、掲示板への注目度も上げることができます。

注意点: 放送内容が特定の人しか分からない「内輪受け」にならないよう注意しましょう。全校生徒が聞いて分かる話題や、明るく聞き取りやすい言葉選びを心がけることが大切です。放送委員と事前に打ち合わせをして、BGMをかけてもらうなどの演出も検討してみてください。

先生も納得する年間計画の立て方

面白い活動を単発のイベントで終わらせず、学校文化として定着させるためには、しっかりとした「年間計画」への落とし込みが不可欠です。先生方に企画を通す際も、「ただ楽しそうだからやりたい」と言うより、「この時期の生徒の課題に合わせて、このような教育的効果を狙って実施します」と説明できた方が、協力が得られやすくなります。

季節や学校行事の流れ、生徒の健康課題に合わせた年間の活動モデルを紹介します。これをベースに、自分たちの学校に合わせてアレンジしてみてください。

時期 テーマ おすすめの活動(例) 企画の意図・教育的効果
4月〜5月 関係づくり・環境適応 ・アイスブレイク(テレパシーゲーム等)

・保健室利用オリエンテーション動画

新クラスでの緊張をほぐし、心理的安全性を確保する。また、保健室の正しい使い方を周知する。
6月 衛生・歯科予防 ・歯と口の健康週間キャンペーン

・ハンカチちり紙チェック(ゲーム形式)

歯科検診の時期に合わせ、クイズ等で知識を深める。梅雨時の衛生管理意識を高める。
9月 生活リズム回復 ・睡眠トリビアクイズ

・デジタル・デトックスキャンペーン

夏休み明けの乱れがちな生活リズム(睡眠・スマホ)を整え、学校モードへの切り替えを促す。
10月〜11月 運動・食事 ・健康スタンプラリー(フィジカルチャレンジ)

・食育ポスターコンクール

気候が良い時期に、楽しみながら運動量を増やす。文化的な活動(ポスター)も取り入れる。
12月〜1月 感染症対策 ・手洗い実験動画の放送

・換気呼びかけプロジェクト

インフルエンザ等の流行期に備え、正しい予防知識を再確認し、実践を促す。
2月〜3月 心の健康 ・ストレスマネジメント講習(動画)

・1年間の振り返り新聞の発行

学年末や受験期のプレッシャーに対する心のケアを行う。次年度へ向けたまとめを行う。

このように、「面白さ(エンタメ性)」と「教育的価値(エビデンス)」をセットにして提案すれば、先生からのGOサインも出やすくなりますし、何より生徒自身が意味を感じて参加してくれるようになります。

中学校で保健委員会の活動を面白い場にするためのまとめ

ここまで様々なアイデアや実践事例を紹介してきましたが、私たちが目指す「面白い(Omoshiroi)」活動とは、単に笑えるということだけではありません。それは、以下のような要素を兼ね備えた、教育的にも価値の高い体験のことです。

  • 生徒の「知的好奇心」を刺激すること(クイズやトリビア)
  • 実際に「身体」を動かすこと(スタンプラリーやチャレンジ)
  • 仲間との肯定的な「関わり」を生むこと(アイスブレイクや共同制作)
  • 自分たちで作り上げる「創造性」を発揮できること(動画制作やポスター)

この4つの要素が揃ったとき、保健委員会活動は単なる「係の仕事」を超えて、生徒にとって本当に価値のある、面白い体験になります。もちろん、すべてのアイデアを一度に実行する必要はありません。まずは、あなたの学校の雰囲気や保健委員のメンバーの実情に合わせて、できそうなことから一つずつ取り入れてみてください。

「自分たちが楽しめば、周りも楽しくなる」。これが保健委員会活動を活性化させる一番の秘訣です。生徒たちの笑顔が増え、学校全体が元気になるような、素敵な活動になることを心から応援しています!